天然由来の素材から作られ、使用後は自然に戻る酢酸セルロース。当社では、1930年代から製造を行っています。
私たちは人と環境に優しい酢酸セルロースでサステナブル(持続可能)な社会の実現に貢献します。
天然由来の原料
私たちは、計画的に管理栽培された木や綿花などの植物を原料に使用し、天然資源の有効活用に努めています。酢酸セルロースは、環境保全に配慮された森林から生産された木材とコットンリンター(綿花採取後の産毛状繊維)から得られたセルロースを原料として使っています。
酢酸セルロースのライフサイクル
酢酸セルロースは、非食用植物から得られる「セルロース」と食酢の主成分の「酢酸」から作られ、一般のプラスチックスと同様に様々な方法で加工が可能で、繊維、液晶保護用などのフィルム、化粧品などの原料として、広く利用されています。
酢酸セルロースは使い終わった後、一般的な合成プラスチックと異なり自然環境下で水などの作用で再びセルロースと酢酸に別れ、環境負荷がない素材に戻ります。さらに、水や微生物によって炭酸ガスと水に分解され、再び植物の成長に使われます。
自然環境下での分解性について
近年、プラスチックごみ問題が世界規模で喫緊の問題となっており、特に、海に大量に流れ込む海洋プラスチックの問題が大きくクローズアップされています。
酢酸セルロースは、海洋中・土壌中で一般的な合成プラスチックに比べ極めて速やかに分解します(図1、図2)。
図1 海洋中で分解する時間(下記出典(※1)(※2)(※3)及び社内データを整理して作成)
- (※1)U.S. National Park Service; Mote Marine Lab, Sarasota, FL and “Garbage In, Garbage Out,” Audubon magazine, Sept/Oct 1998
- (※2)海洋プラスチック問題について、WWFジャパン
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html - (※3)New Aspects of Cellulose Acetate Biodegradation, Dirk HÖLTER,Philippe LAPERSONNE, 2017_ST13
- (※4)プラスチックやシガレットフィルターなどに使われる二酢酸セルロースの場合
図2 酢酸セルロースのコンポストにおける生分解性
ISO14855に準拠した方法:都市から排出される固形有機廃棄物をコンポストとして58℃環境下における二酸化炭素発生量から生分解度を求める試験方法
当社では、特に海水中での生分解速度を従来の2倍近くまで高めた高生分解性酢酸セルロース”CAFBLO®”を開発しています。
私たちの取り組みについて
世界では3億トンを超えるプラスチックが生産されています。このうち、バイオマス(生物資源)から作られるプラスチックの生産量は2018年で210万トン(『Bioplastics market data 2018』)にすぎません。
私たちは新たな酢酸セルロースの開発を進めており、日常生活のより多くのシーンで活用されることを目指しています。これからも酢酸セルロースを通じてサステナブルな社会の実現に貢献します。