サステナビリティ / 社会性報告 地域・社会への貢献

基本的な考え方

当社グループは、「ダイセルグループ倫理規範」に掲げる「3.環境や社会に配慮した事業活動『⑤ 地域社会への貢献:事業活動を通じて関わる地域の文化や慣習を尊重し、適切な情報提供や対話を通じて、地域との良好な関係を維持・向上させるとともに、地域社会の発展に貢献します。』」に基づき、地域社会とのコミュニケーションを図るとともに、地域と共生し発展に貢献するため、次世代育成、ボランティアなど、多岐にわたる活動に取り組んでいます。

次世代を担う子どもたちの育成

中国ダイセルグループ9社共同での教育拠点への支援

2024年10月、中国の当社グループは、教育拠点への共同支援を実施しました。
2021年から毎年秋、中国政府や広西チワン族自治区勝利村の代表者と中国の当社グループ9社の代表が勝利村にある6カ所の教育拠点を支援するために、児童へ奨学金と学用品を寄贈しています。この教育支援がより行き届いた活動となるように、事前に当社グループと村の代表者が何度も話し合い、児童の学習や生活環境に関するニーズを探りながら、4年間で延べ1,013名(用)の児童と38名(用)の青少年へ支援を実施してきました。
当日は児童への文具・書籍・縦笛などの学用品をはじめ、全ての教育拠点にバスケットゴール・卓球台・跳び縄・フラフープなどの体育用品と、経済的に制約がある児童の学びを支えるために奨学金を寄贈しました。勝利村の職員や教師から「視野を広げる機会が限られている子どもたちに、様々な支援を届けていただき、本当に感謝しています」という声や、「厳しい生活環境の中でも、見ず知らずの方々からの温かい愛情を深く感じることができました」という感想が寄せられました。
当社グループにとってこの活動は、次世代を担う子どもたちの健全な育成を図るための大切な社会貢献活動と考え、未来への憧れを持つ子どもたちが、希望を抱いてすくすくと成長していくことを願っています。

DSSE <TALENTS FOR COMPANIESに参加>

Daicel Safety Systems Europe Sp. z o. o.(以下 DSSE)は、2024年10月10日にシフィドニツァの商工会議所で開催された「TALENTS FOR COMPANIES」技術競技会の地域大会に出場し、4回目となるチーム世話人を務めました。DSSEのチームはシフィドニツァの学校からの生徒や教師、DSSE の社員で構成され、地域大会で優勝しチェコでの第2ステージに進出しました。2024年11月15日にチェコのフラデツ・クラーロヴェーで実施された第2ステージでは、風力発電所のミニチュアモデルを作成し、再び成功を収め、国際決勝に進出しました。2025年6月17日にプラハで開催された国際決勝では、優勝には至りませんでしたが、DSSEチームは第1ステージで最高得点を獲得することができました。結果としてDSSEはDakarチーム(大会での課題は小型オフロード車の製作)より特別賞を受賞し、オフロードラリー車の製造工場見学に招待されました。DSSEのチームのひたむきな姿勢と創造性に敬意を表し、今後の活躍を期待しています。

台湾の高校生が富士工場とTSCを2年連続で訪問

2024年5月、台湾の高校から教師と生徒の計38名が、ポリプラスチックス株式会社の富士工場とテクニカルソリューションセンター(TSC)を訪問しました。当日は、富士工場のF-BASE(執務棟)とコントロールルーム、TSCのショールームと成形室・実験室を中心に見学会を実施しました。生徒たちからは「エンジニアリングプラスチックが身の周りの多くの製品に使われていると知って驚いた」というコメントが寄せられました。今後もこのような活動を通じて、次世代を担う子どもたちが化学工業のリアルな知識や理解を得られる機会を提供していきます。

中高生の自主研究活動支援

当社は、「サイエンスキャッスル研究費2024 価値共創賞」を創設し、中高生が提案する研究テーマへの資金助成や当社研究員との意見交換を通じて、次世代の研究者たちとの価値共創の実現を推進しています。2024年度は、全国各地の中高生から多数の応募を受け、着眼点や実行力に優れた4件を採択しました。当社社員が研究コーチとして半年間にわたりサポートし、研究活動を進めました。2025年2月14日に開催した成果発表会では、各チームが半年間の研究のプロセスや成果をプレゼンテーションし、当社役員や社員と熱いコミュニケーションを交わしました。
発表を終えた学生からは「このプログラムを通じ、仮説の立て方や検証方法、発表のストーリーやまとめ方など、研究コーチから親身にアドバイスいただき、非常に参考になった」との声が寄せられました。また、2025年1月12日には、包括連携協定を締結している神戸大学が実施する次世代人材育成事業「ROOTプログラム」と連携し、プログラム受講の中高生に、企業における研究開発の現場や、それが製品や事業にどのように結び付くのかを知っていただく機会を提供しました。実際の製品を手にしながら、好奇心旺盛で社会課題への問題意識が高い学生から多くの質問をいただき、熱い対話が展開されました。当社は、今後も積極的に次世代のイノベーションを担う研究者の卵たちの果敢な挑戦を応援していきます。

サイエンスキャッスル研究費は、株式会社リバネスが運営しています。

地域社会との交流

タイ・プラチンブリでの地域社会における社会貢献活動

Daicel Safety Systems (Thailand) Co., Ltd.(以下DSST)は、地域住民とともに、行政機関の協力なども得ながら、継続的な社会貢献活動を実施しています。

献血プロジェクト

2025年1月、DSSTはプラチンブリ県立病院と協力し、第26回DSST献血プロジェクトを成功させました。献血活動は年に4回実施しており、多くの社員が献血に協力をしました。また、このプロジェクトでは臓器移植に関する啓発活動も行っており、2023年以降、16名が臓器提供の意思表示をしています。

地域の医療機関への医療機器寄贈

DSSTは2013年から、DSST付近の地域住民がより質の高い医療を受けられるよう、近隣の医療機関へ医療機器の提供を実施しています。2024年4月には、サラブリ県にあるDSST-Saraburiの地区病院に医療機器を寄贈しました。

サラブリ県の地域コミュニティとの協働による砂防ダム建設

2024年7月24日、DSSTはサラブリ県の地域住民と協力して、豪雨による地滑りから村を守るための砂防ダムを建設しました。チームが一丸となって、1日で20基の砂防ダムを建設しました。

「ダイセル ブラインドサッカー®ジャパンカップ 2024 in 大阪」開催

当社は2024年7月4日から7日の4日間、「ダイセル ブラインドサッカー®ジャパンカップ 2024 in 大阪」を開催しました。
ブラインドサッカーとは、アイマスクを装着して、転がると音のなるボールでプレーする5人制のサッカーです。
当社がタイトルスポンサーとして協賛した本大会では、日本、モロッコ、メキシコ、マレーシアの4カ国が熱い戦いを繰り広げました。
会場となった大阪駅前のうめきた広場では、仕事帰りや買い物で行き交う人が足を止め、大階段は連日たくさんの観客で埋まりました。
本大会には、当社社員である高橋裕人選手も日本代表選手の一員として出場しました。また、MIP選手に選ばれた日本代表 後藤将起選手には3Dプリンターで造形したダイセルのCAFBLO®製トロフィーが贈呈されました。当社グループからは90名以上がボランティアとして参加し、会場設営や競技運営、大会後の撤収作業まで場内外で活躍し、大会を盛り上げました。
また、7月6日には「ダイセルファミリーデー」、7月7日にはガンバ大阪によるサッカー教室などのイベントを開催し、当社グループの社員とその家族が交流を楽しむ良い機会となりました。

当社社員の高橋裕人選手
©Haruo.Wanibe/JBFA
加地亮選手※1・竹内真子選手※2・日本ブラインドサッカー協会職員と当社社員・ご家族との集合写真
  1. ※1元プロサッカー日本代表選手
  2. ※2ブラインドサッカー女子日本代表選手

障がい者就労支援事業所の手作り製品・パンの販売

当社は、2024年11月20日から22日にかけて、全社イベント「サステナブルウィーク2024」の活動の一環として、障がい者就労支援事業所による手作りパンの販売を、東京本社・大阪本社・播磨工場・神崎工場の4拠点で実施しました。
東京本社では、新宿福祉作業所に協力いただき、当社社員へ手作りパンを販売しました。
新宿福祉作業所は、一般企業などでの就労が困難な方々に対して就労継続支援に取り組んでいるほか、地域で豊かに暮らすための機会を提供しています。この活動を通じて、様々な人が社会の中で働いているということや、社会と企業は障がいを持った方々と、どのように連携して支援できるかなどを、当社の社員が考える良い機会となりました。

富士工場での地域住民とのコミュニケーション

ポリプラスチックス株式会社の富士工場では、1974年より50年間にわたって定期的に地域住民の方々をお招きして環境・健康・安全に関する意見交換を実施しています。
2024年6月には、地域住民の方々との意見交換会を開催し、13名が参加しました。当日は、富士工場の環境への取り組みを説明するとともに、活発な意見交換が行われたほか、環境関連設備などを中心に工場見学も実施しました。参加者からは「取り組み内容を聞いて、不安が解消された」など前向きな声が寄せられました。今後も地域住民とのコミュニケーションを継続することで相互の理解を深め、信頼関係構築に努めていきます。

ボランティア活動

シンガポールでの食品寄付(Food donation)

2024年度は、Daicel (Asia) Pte. Ltd.、Polyplastics Asia Pacific Singapore Pte. Ltd.、Novacel Singapore (Pte.) Ltd.が合同で、政府が補助している低所得層向け集合住宅に赴き、食品を寄付しました。住民の中には体に不調を抱えている方も多かったため、食品をお渡しした際にはとても喜んでいただけました。この活動を通じて、社員の一体感を高められたほか、サステナビリティについて考える良い機会にもなりました。

国内有志拠点での“もったいない大作戦”

当社グループの国内有志拠点では、11月下旬に開催した「サステナブルウィーク2024」の企画に合わせて、「もったいない大作戦2024」を実施しました。
“もったいない大作戦”とは、社員の家庭にある不用品や未使用品などを各拠点で集め、NPO団体へと寄贈することで、国内外の被災者・生活困窮者・シングルマザー・障がい者支援施設などへ届ける活動で、2022年度より「サステナブルウィーク」に合わせてグループ全体で取り組んでいます。
各拠点の総務部門・労働組合・SDGsアンバサダーの協力により、社内の認知度も上がってきており、この活動への参加者は年々増えています。2024年度は寄贈対象品目を増やし、衣類・日用品・食品・書籍・文具・アクセサリーなど、グループ全体で7,600点以上の物品が集まりました。
今後も当社グループは、廃棄物の削減と社会課題の解決に貢献するために、この活動を継続していきます。

災害支援

能登半島被災地に対する寄付(募金・マッチングギフト・企業版ふるさと納税)

当社は、2024年1月に発生した能登半島地震での被災者支援や被災地復興に役立てていただくため、2024年1月に日本赤十字社を通じて、当社グループとして 2,000 万円を寄付しました。
また、当社グループの役職員による募金活動を2024年1月から開始し、集まった金額と同額を会社が上乗せして寄付するマッチングギフトを実施、日本赤十字社を通じて、当社グループとして約187万円を寄付しました。
加えて、能登半島地震および同年9月に発生した奥能登豪雨で被災した地域の復旧・復興を支援するため、石川県の「企業版ふるさと納税」を活用した寄付(寄付先自治体は石川県能登町、輪島市、珠洲市で、寄付金額は総額1億円)を実施しました。被災地の皆様の安全と、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。