サステナビリティ / 社会性報告 魅力ある職場づくり心と身体の健康

基本的な考え方

当社グループは人事方針、人事ガイドラインに基づき、各種人事施策を行っています。
当社は、社員が健康でいきいきと働くことが、社員個々の生活の充実と会社の継続的な発展の両立につながると考え、2018年度に「ダイセルグループ健康経営宣言」を制定しました。ヘルスケア委員会が中心となり、健康診断や保健指導を通じた社員の健康管理サポート、ストレスチェックによる社員のストレス状態の把握、ストレス低減に取り組んでいます。この人事方針に添い、代表取締役社長から当社グループ全社員に対して以下のメッセージを発信し、人事方針にこめた思いを社員全員で共有しています。

ダイセルグループ健康経営宣言

会社は、社員一人ひとりの心と身体の健康が基盤であると認識し、安全で快適な職場の実現を図ります。
会社は、健康保険組合と協力し、社員と家族一人ひとりの自律的かつ積極的な健康づくりを支援します。

株式会社ダイセル 代表取締役社長 小河 義美

ヘルスケア推進体制

社員一人ひとりが個性と能力を最大限に発揮し、いきいきと健康的に働ける職場環境を提供するため、2003年に企業・労働組合・健康保険組合の代表によるヘルスケア委員会を設立しました。
グループ全体のヘルスケアサポートのさらなる充実を図るべく、中央ヘルスケア委員会および、事業場ごとに事業場ヘルスケア委員会を設置しています。
2022年度、グループ全体の健康維持・増進の活動を底上げ・加速するため、健康経営専任組織として事業支援本部に「グループ健康サポートセンター」を設置しました。

グループ健康サポートセンター

当社グループ社員一人ひとりの自律的かつ積極的な健康づくりを支援し、個々の生活の充実と会社の継続的な発展の両立につなげるため、健康経営専任組織として事業支援本部に「グループ健康サポートセンター」を設置し、グループ全体の健康維持・増進を目指しています。

中央ヘルスケア委員会

グループ全体のヘルスケア活動における計画・施策の立案、仕組みの整備に加え、事業場ヘルスケア委員会の取り組みの進捗確認およびサポートを行っています。ヘルスケア活動の施策立案に際しては必要に応じて外部関係機関のアドバイスを受けています。

事業場ヘルスケア委員会

各種健康教育や健康イベントの開催、ストレスチェックの集団分析結果に基づく職場環境の改善など、事業場におけるヘルスケア活動の計画を立案し、実行しています。なお、職場環境改善は職場のラインリーダーと連携して取り組んでいます。

健康経営推進体制図

健康経営推進体制図

健康経営戦略マップ

当社は健康経営戦略マップを作成し、健康経営で解決したい経営課題と健康維持・増進のための各施策とのつながりをミエル化しています。各施策は、その効果を測る指標を設定し、中期目標を定め、CAPDサイクルを回して取り組んでいます。これらの取り組み状況は定期的に当社ウェブサイトにて公表しています。

計画を起点とした活動では重要な事実を見落としてしまうおそれがあると考え、当社では一般的なPDCAではなく、CAPDを改善サイクルとしています。

組織体制強化への取り組み

ヘルスケア推進体制の強化を図るため、嘱託精神科医および常駐の保健師を産業保健スタッフとして配置し、社員への日常的な健康指導や、メンタルヘルス不調者対応、復職支援や、不調者の早期発見・早期対応のための予防教育を行いながら、気軽に相談しやすい環境づくりに努めています。
また、海外赴任者に対しても、保健師との年1回の健康面談や長時間労働発生時の随時面談をオンラインで実施しています。

保健師チームの協力体制

各事業場に常駐している13名(2023年4月末現在)の保健師は事業場を越えた保健師チームとして協力体制の構築と情報共有化を進めています。同チームは、ストレスチェックに基づく職場環境改善計画に参画し、人事階層別研修、新卒者・経験者採用時の導入研修に講師として携わり、心と身体の健康に関する教育を担当することで、不調者発生の予防、保健師自身の企画力や講師力の向上につなげています。
また、定期的に保健師から「健康だより」で心と身体の健康管理情報を発信し、社員自らが健康維持や病気への予防対策を講じられるよう啓発しています。

階層別研修での保健師の講演
階層別研修での保健師の講演
発表風景
発表風景

TOPICS海外赴任者への健康指導・相談

2015年度より、海外赴任者の赴任先における勤務状況の確認を開始しました。2017年度からは、長時間勤務者に対して国内基準に準じた保健師面談などのフォローを実施し、適切な健康管理につなげています。
また、2008年度から保健師による海外拠点訪問と海外赴任者への健康指導・相談・支援を継続して実施していましたが、2021年度より新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、オンライン面談に切り替え、海外赴任者全員との面談を行いました。今後も引き続き現地で重要なポジションを担う海外赴任者の健康の維持・向上を図っています。

精神科医の活用

メンタルヘルス不調者へのフォロー体制強化のため、精神科医4名(2023年4月末現在)が地域を分割して担当し、それぞれの地域でよりきめ細かい対応が行える体制を構築しています。

健康維持・増進の取り組み

定期健康診断

法令に則り、当社社員に定期健康診断を実施しており、2022年度の受診率は100%です。また、二次検査の受診率を向上させるため、定期健康診断後の保健師フォロー面談において二次検査受診を勧奨しています。

ESGデータ集健康診断受診率

特定健康診査・特定保健指導

健康保険組合に実施が義務づけられている「特定健康診査・特定保健指導」を会社と健康保険組合が連携して実施し、これらの結果や問診回答の内容を分析して、社員の健康状況を把握しています。当社では国が掲げた目標値である特定健康診査実施率90%以上、特定保健指導実施率55%以上を目標に掲げ、生活習慣病の予防に取り組んでいます。2022年度は、特定健康診査実施率は、対象5,741名に対して、82.2%、特定保健指導実施率は、対象854名に対して、56.9%となっています。特定保健指導実施率は2019年度より目標を達成しており、引き続き実施率の向上に努めていきます。

特定健診・特定保健指導実施率

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目標値 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
特定健康診査実施率(%) 90%以上 80.9% 84.6% 84.0% 81.3% 82.2%
特定保健指導実施率(%) 55%以上 50.6% 55.6% 58.6% 58.2% 56.9%

受動喫煙防止への取り組み

受動喫煙による健康障害リスクを考慮し、事業場内の喫煙スペースを限定してリスク低減に努めています。また、健康保険組合では、2020年10月より、会社と共に推進する健康経営強化の取り組みとしてオンライン禁煙支援プログラムを無料で提供しています。

ストレスチェックの実施

当社は従来から「いきいき職場づくり」を目指し、ストレスチェックなどを活用して現場主体で職場運営の改善を図るなど、積極的に取り組みをサポートしています。2022年度のストレスチェックの受検率はグループ全体で99%でした。受検後、面談を希望する高ストレス者には医師面談を実施しています。また、医師面談を希望しない高ストレス者には保健師によるフォローアップを実施しています。さらに、ストレスチェックの集団分析結果を基に、事業場ヘルスケア委員会で職場環境改善計画を立案し、社員の健康維持・増進に取り組んでいます。

メンタルヘルス研修の実施

当社では、リーダー職(管理職)を対象にしたラインケア研修、セルフケア研修を実施しています。これらの研修は、外部講師によるラインケアやストレスへの対処法の基礎知識、メンタルヘルスの向上などに関する講義に加え、体験型ワークを通してコミュニケーションの向上を図るものです。また、新入社員・経験者採用社員・新任リーダー職の階層別研修において、保健師によるオンラインメンタルヘルス研修を導入しています。

当社では管理職をリーダー職と呼称しています。

こころとからだの健康ダイヤル(健康相談窓口)の設置

ダイセル健康保険組合は、無料の健康相談窓口を設置しています。外部機関にて、常勤の医師をはじめとする経験豊かなヘルスカウンセラーが24時間・年中無休体制で電話による健康相談に応じます。リモートワークが長引くことによる体調不良や、日常生活での不安なども気軽に相談できます。なお、プライバシー保護のため、個人情報や相談内容は、会社や健康保険組合には一切開示されません。

【相談受付内容】

  1. 24時間電話健康相談サービス
  2. メンタルヘルスカウンセリングサービス
  3. セカンドオピニオンサービス
  4. 二次検診手配紹介サービス
  5. 生活習慣病受診サポートサービス
  6. 受診手配・紹介サービス
  7. がん治療と仕事の両立支援

「健康アクセル6」の実践

当社は、促進して欲しい6つの健康行動を『健康アクセル6』と命名し、グループ社員にその実践を呼びかけています。

健康アクセル6 健康アクセル6

「運動」「食事」「睡眠」「飲酒」「間食」「喫煙」のテーマごとに、社内SNSなどで、経営トップ自身の健康保持・増進の取り組みの発信や、保健師によるオンライン教育を実施しています。今後も、情報発信を通じて、社員のヘルスリテラシーの向上と行動変容の促進に取り組んでいきます。

TOPICS健康セミナー「働く女性と健康課題セミナー」を開催

働く女性がより活躍できる、男女共にサポートしあい働きやすい職場を目指すための取組みの一つとして、男性社員含む全社員を対象に、女性特有の健康課題「ホルモンと月経」「働きながら妊娠・出産を迎えるために」「更年期の健康管理」に関するEラーニングを、2022年9月、10月、11月に3回に分けて実施しました。男女問わず幅広い年代のダイセルグループ社員2,326名が受講しました。今後も、女性社員がよりいきいきと働き続けられるよう、男性社員を含む全社員を対象に、女性特有の健康課題に関する情報発信、研修を継続して実施していきます。

TOPICS「健康経営優良法人2023(ホワイト500)」に4年連続で認定

2023年3月、当社は、経済産業省および日本健康会議が選定する「健康経営優良法人2023(ホワイト500)」に、ポリプラスチックス株式会社とともに認定を受けました。ダイセルの「ホワイト500」認定は4年連続、ポリプラスチックスは初となります。健康経営優良法人認定制度は、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みなど、特に優良な健康経営を実践している企業を認定する制度です。
当社は「こころのケア」「からだのケア」を活動テーマに、社員の健康の維持・向上に努めています。労使および健康保険組合で組織する中央・事業場ヘルスケア委員会、産業保健スタッフ(産業医、保健師など)、精神科医などが連携して、メンタルヘルス不調者の復職支援をはじめ、不調者の予防、早期発見・対応のための教育、仕組みの整備など、心と身体の両面から支援をしており、その取り組みが評価されました。

健康経営優良法人2022(ホワイト500)ロゴ

TOPICSポリプラスチックス株式会社がDBJ健康経営格付融資において最高ランクの格付を取得

ポリプラスチックス株式会社は、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)から、DBJ健康経営(ヘルスマネジメント)格付に基づく融資を受けるにあたり「従業員の健康配慮への取り組みが特に優れている」と最高ランクの格付けを2020年に取得しました。

今回の格付では、以下の点を高く評価されました。

  • ヘルスケアチームを中心に各種データ分析を実施することによって顕在化した健康課題に対して、重症化予防を徹底するとともに、社員への健康意識啓発に資する取り組みを実施している点
  • ポリプラ流働き方(し・あ・わ・せフレームワーク)に則り、社員および働き方の多様化に対応した職場環境づくりを推進している点
  • エンゲージメントの向上を目指し、ミッション・ビジョン・バリューの共有を図るとともに、社員意識調査から抽出された課題について部門ごとにワークショップを実施するなど、今後の施策立案に向けて着手している点
DBJ健康経営格付2020ロゴ

TOPICS職場リーダー対象セミナー「ココロとカラダの健康づくりワークショップ」開催

職場の健康課題に応じて、職場リーダーが主体的にココロとカラダの健康づくりに取り組むことができるように、「ココロとカラダの健康づくりワークショップ」をオンラインで開催しました。ワークショップでは、ストレスチェック集団分析レポート、健康診断集団分析レポートをインプットして、職場リーダー間でグループ討議を実施し、自職場における改善計画への落とし込みを行い、各職場での実践を促しています。2022年度は全15回を開催し、210名の職場リーダーが参加しました。

階層別研修での保健師の講演
発表風景

TOPICS「ガンバ大阪サッカー教室」開催

2022年度、社員・ご家族・取引先・地域住民の皆様の健康維持増進に向けて、当社がオフィシャルパートナーを務めるガンバ大阪の選手・コーチを招いた「サッカー教室」を開催しました。当日は、合計122名の方々(大人69名、子ども53名)にご参加いただきました。併せて、健康チェックブースを設けて、血管年齢・骨健康度・運動機能・野菜摂取量を測定し、保健師による健康ワンポイントアドバイスを実施しました。
ダイセルグループでは、これからも、社員に加えご家族・取引先・地域住民の皆様も含め、一人ひとりが心身共に健康であることを目指した健康経営に取り組んでいきます。