研究・開発 知的財産に関する取り組み

知的財産に関する基本的な考え方

ダイセルグループでは、第三者が保有する知的財産権を尊重するとともに、会社が保有する知的財産権(特許権、実用新案権、商標権、意匠権等)が重要な資産であることを認識し、その保全・確保に努めています。

ダイセル行動規範(8-3 知的財産権の保全・確保)

知的財産/無形資産投資について

ダイセルグループは「価値共創によって人々を幸せにする会社」という基本理念のもと、社会ニーズに対して会社、業界の壁を越えて、理念を共有しながら共に価値提供をしていく姿を実現し、価値を提供し続けるための知的財産/無形資産投資を行っています。

知的財産/無形資産投資について

知的財産に関わる社内の体制

知的財産センターでは、「Proactive IP」というスローガンをかかげ、①事業・企画部門、②研究開発部門、③知的財産センターより構成される知的財産活動チームを中心に、知的財産活動に取り組んでいます。知的財産を ”創る” “使う” ことで、当社のモノづくりを支え、知的財産を ”繋ぐ” ことで、新しい事業の創出に繋がるイノベーションを促進し、ダイセルのブランド力を高め、ダイセルグループのビジネスを強くします。ダイセルの中期戦略「Accelerate 2025」で明示したとおり、「Research」、「Development」と共に「事業創出力」を加速する手段の一つとして、知的財産活動を強化していきます。

知的財産センターのビジョン

知的財産活動チーム

ダイセルとそのグループ会社にある約35の知的財産活動チームが、各々のテーマの発明認定、出願・ノウハウ秘匿判断、権利化、維持要否、特許活用、他社特許判断・回避、特許事件への対応を行っています。

中期戦略『Accelerate 2025』の事業創出力

中期戦略

「経営・事業・研究への羅針盤」IPランドスケープの推進

ダイセルの知的財産センターでは、2019年にIPランドスケープ(IPL)専門のチームを設けIPLの取り組みを始め、さらに2022年度にはIPLチームに知財担当者を組み入れ、IPランドスケープを全ての知的財産活動の基礎部分とすることといたしました。IPLとは、「知財だけでなく、技術・論文・市場・企業・政治・法律など、あらゆる情報を駆使して、ダイセルの経営・事業・研究の置かれている状況をミエル化し、それらを成功に導くための道筋を指し示すこと」であると当社は考えており、IPLを「経営・事業・研究への羅針盤」と称して活動しています。
また、この活動は知的財産センターのみでは成し得ないため、個別の具体的な研究開発テーマや事業企画テーマにおいて、関連部門と密な連携を取りながら進めています。社内でのIPLへの認識が高まるにつれ、IPLが各事業の意思決定における一翼を担い始めています。IPLがダイセルの未来を切り開く一助となるよう、日々取り組みを進めています。

人材育成

知的財産センターと人事グループとで連携し、人材育成プログラムに基づき、技術者の知的財産のリテラシー向上を図っています。

  1. 1階層別研修の実施(新入社員、中堅社員、新任管理職)
  2. 2eラーニングの提供(特許、商標、著作権、営業秘密・ノウハウ保護、特許調査・解析他)
  3. 3技術系管理職昇格要件の一つに「知的財産管理技能士3級」の資格取得導入

活動実績

WIPO GREENへの参画

国際連合の専門機関である世界知的所有権機関(WIPO)が運営する環境関連技術交流の枠組み「WIPO GREEN」に、ダイセルグループが保有する環境関連技術を登録し、「持続可能な開発目標(SDGs)」への貢献を目指しています。2020年4月から、「パートナー」として WIPO GREEN に参画しています。ダイセルの取り組みは特許庁ウェブサイトの下記のページでも紹介されています。

特許庁Webサイト:WIPO GREENとの協力

WIPO GREENに登録済みの当社保有特許
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  • 2021年4月時点。番号はいずれも米国登録番号
  • レーヨン繊維で強化した軽くて強いプラスチック
    • 繊維強化樹脂組成物(US9096750)
  • 有害なクロム酸を使用しないめっき
    • めっき樹脂成形体およびその製造方法(US7645370)
  • 温和な条件で化学反応を行うための触媒
    • N-置換環状イミド化合物で構成された触媒、及びこの触媒を用いた有機化合物の製造法(US7084090)
    • 環状アシルウレア系化合物で構成された触媒、及びこの触媒を用いた有機化合物の製造法(US7091342)
    • N-ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法(US7582774)
    • シクロアルカンの酸化生成物の製造方法(US7834217)

標準規格化における知的財産の活用

コマツNTC株式会社と共同開発したディスプレイ上のぎらつき現象※の測定方法が、2019年12月20日付で日本産業規格(JIS)「ディスプレイのぎらつき度合の求め方」(規格番号JIS C 1006)として制定されました。
ぎらつきを数値測定する方法および装置については、「ギラツキ評価装置およびギラツキ評価方法」(特許第6294904号)として特許登録されており、非差別的かつ合理的な条件で許諾する「RAND宣言」をしています。

  • 防眩加工されたディスプレイ表面の凹凸構造がディスプレイから出る光を拡散させて、画面がちらついて見える現象。

当社開発の「ディスプレイのぎらつき度合の求め方」がJISに制定

受賞歴

知財功労賞

2018年、経済産業省特許庁が主催する、我が国の知的財産権制度の発展等に貢献した個人及び企業等を表彰する「知財功労賞」において、特許庁長官表彰を受賞しました。
受賞の理由として、①事業部門・研究開発部門・知財部門が連携して活動していること、②産学連携で事業化した医薬品開発用の光学分割デバイス(キラル分離)が、知財活用によりビジネスシェアトップであること、③「ダイセル式」と呼ばれる「知的統合生産システム」のライセンシングを通じ、国内産業の生産性向上、国際競争力強化に貢献していること、が評価されました。

特許庁Webサイト:知財功労賞 特許庁長官表彰[PDF:856KB]

日本知財学会産業功労賞

2018年、一般社団法人日本知財学会が主催する、知財活動において顕著な業績があった法人を表彰する「第15回 産業功労賞」を受賞しました。
受賞の理由として、事業部門・研究開発部門・知財部門が連携して活動していることと、このモデルを産業界に提唱していることが挙げられました。とりわけ、当社のモデルが会社の規模を問わず適用可能で、産学連携においても応用できる可能性があることが高く評価されました。

日本知財学会Webサイト:日本知財学会産業功労賞

地方発明表彰

公益社団法人発明協会が主催する「地方発明表彰」を2017年より継続して受賞しています。

受賞特許
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令和4年度(2022年度)

  • 中国地方発明表彰 「発明奨励賞」
    位相差フィルム用セルロースジアセテート(特許第4774121号)

令和3年度(2021年度)

  • 中国地方発明表彰 「発明奨励賞」
    TACフィルムの製造作業環境の改善(特許第5517409号)

令和2年度(2020年度)

  • 中国地方発明表彰 「日本弁理士会会長賞」 「実施功績賞」
    生分解可能なセルロースアセテート粒子と化粧品(特許第6609726号)

発明協会Webサイト日本弁理士会会長賞

  • 近畿地方発明表彰 「発明奨励賞」
    フランジ締結技能判定装置(特許第6166222号)

令和元年度(2019年度)

  • 中国地方発明表彰 「発明奨励賞」
    パルプの二段解砕による酢酸セルロース製造(特許第5816395号)
  • 近畿地方発明表彰 「発明奨励賞」
    ゴム-ナイロン複合化シート(特許第5466928号)

平成30年度(2018年度)

  • 中国地方発明表彰 「発明奨励賞」
    繊維油剤エマルションおよびその製造方法(特許第4754307号)
  • 近畿地方発明表彰 「発明奨励賞」
    省資源省エネルギー型の酢酸の製造方法(特許第5662269号)

平成29年度(2017年度)

  • 近畿地方発明表彰 「大阪発明協会会長賞」
    エアバッグ用ガス発生器(特許第3220443号)
  • 近畿地方発明表彰 「発明奨励賞」
    防眩性フィルム(特許第4377578号)
  • 関東地方発明表彰 「発明奨励賞」
    ポリグリセリン、ポリグリセリン脂肪酸エステル(特許第4540482号)
    ゼロリタデーションTACフィルム(特許第4108077号)
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