環境にやさしい天然素材「酢酸セルロース」の海洋での生分解性を飛躍的に向上させた製品です。
私たちの“Cellulose Acetate for Blue Ocean”という思いをカタチにして、「CAFBLO®(キャフブロ)」と名付けました。
世界規模の問題となっている海洋プラスチックごみ問題に対する有効な解決策として、「CAFBLO®(キャフブロ)」を広くご提案してまいります。
酢酸セルロースは、環境保全に配慮された森林から生産された木材やコットンリンター(綿花採取後の産毛状繊維)から得られた「セルロース」と食酢の主成分の「酢酸」から作られる人と環境に優しい素材です。プラスチック材料と同様に加工することが可能で、様々な用途に使われています。使用後は、水と微生物の働きで自然に還ります。
海洋生分解性について
近年、プラスチックごみ問題が世界規模で喫緊の問題となっており、特に、海に大量に流れ込む海洋プラスチックの問題が大きくクローズアップされています。一般的なプラスチックは、分解に数十年から数百年を要するとされ、海洋生分解性を有する素材が求められています。
ダイセルでは、従来製品の品質を保ったまま、特に海水中での生分解速度を従来の2倍近くまで高めた高生分解性酢酸セルロース ”CAFBLO®” を開発しています。
分子構造を調整することで、生分解速度を変化させることができます。
なお、”CAFBLO®”は、国際認証機関であるTÜV AUSTRIA Belgiumの“OK Biodegradable Marine”の認証を取得しています。
図.酢酸セルロース(開発品、従来品)の海洋生分解性(対セルロース)
(performed in accordance with the requirements of the OK biodegradable MARINE certification scheme of TÜV Austria).
他の生分解プラスチックとの比較
酢酸セルロースは、様々な環境で生分解します。他の生分解性プラスチックとの比較表を表1に示します。
環境 | たい肥 | 土壌 | 海洋 |
---|---|---|---|
酢酸セルロース | 〇 | 〇 | 〇 |
PLA (ポリ乳酸)※4 |
〇 | × | × |
バイオ原料のPBS (ポリブチレンサクシネート) |
〇 | 〇 |
表1 自然界で分解する時間(下記出典(※1)(※2)(※3)を整理して作成)
- (※1)海洋プラスチック問題について、WWFジャパン
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html - (※2)生分解性プラスチックの課題と将来展望 株式会社三菱総合三菱総合研究所
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20190408.html - (※3)PLAの生分解性プラスチックとしての誤解 Nature3D
http://nature3d.net/explanation/pla_notreally.html - ※4. ポリ乳酸を主体とするプラスチック
近年、海洋プラスチックごみの問題がクローズアップされております。一般的なプラスチックは、分解に数十年から数百年を要するとされますが、数か月から数年で分解される酢酸セルロースを従来のプラスチックの代替として使うことで、海洋プラスチックごみ問題に対する解決策となり得ます。当社は今後、本開発品の用途開拓を進めてまいります。