サステナビリティ / 社会性報告 地域・社会への貢献

基本的な考え方

当社グループは、ダイセルグループ倫理規範に掲げる「3.環境や社会に配慮した事業活動『⑤ 地域社会への貢献:事業活動を通じて関わる地域の文化や慣習を尊重し、適切な情報提供や対話を通じて、地域との良好な関係を維持・向上させるとともに、地域社会の発展に貢献します。』」に基づき、地域社会とのコミュニケーションを図るとともに、地域と共生し発展に貢献するため、次世代育成、ボランティアなど、多岐にわたる活動に取り組んでいます。

次世代を担う子どもたちの育成

中国ダイセルグループ7社共同での教育拠点訪問

2022年9月22日、中国のダイセルグループ7社は初の試みとして、教育拠点への共同支援を実施しました。この日は中国広西チワン族自治区の勝利村にある8カ所の教育拠点を、政府や勝利村の代表者と、中国のダイセルグループ7社の代表が訪問し、259名の児童へ奨学金と学用品を寄贈しました。
より行き届いた活動となるように、事前に当社グループと村の代表者が何度も話し合い、児童の学習や生活環境を理解しニーズを把握しました。
当日は児童への奨学金や制服をはじめ、全ての教育拠点にバスケットゴール・卓球台・跳び縄・フラフープなどの体育用具を寄贈しました。参加した社員からは、「先生や生徒たちから、たくさんの熱烈な歓迎と喜びの言葉をいただいて、とても嬉しかった」という声が寄せられました。

当社グループは、この活動は、次世代を担う子どもたちの健全な育成を図るための大切な社会貢献活動と考えています。未来への憧れを持つ子どもたちが、希望を抱いてすくすくと成長していくことを願っています。

中国・丹陽市出身の大学生への学費援助

Daicel Safety Systems (Jiangsu) Co.,Ltd.(以下DSSC)は、2012年度より江蘇省丹陽市にある丹陽市慈善総会を通じて、家庭の事情などで学費の工面が困難な丹陽市出身の大学生向けに、給付型の奨学金を支給しています。
2022年度は、5名に給付を行いました。
2022年8月16日、この5名をDSSCに招き、調印式を実施しました。DSSC社長(総経理)が学生を直接激励したほか、学生からも自己紹介や抱負を語っていただくなど、懇談しました。
本活動では、奨学金の支給だけでなく、卒業時には大学生活や今後の進路についての報告会を実施し、卒業後も近況を尋ねるなど、支援した学生との継続したコミュニケーションを取っています。
この活動を通じて支援した丹陽市出身の若者たちが将来活躍し、地域の発展に貢献していくことを願っています。

地域社会との交流

富士工場での地域住民とのコミュニケーション

ポリプラスチックス株式会社富士工場(以下「富士工場」)では、1974年より48年間にわたり定期的に地域住民の方々をお招きして環境・健康・安全に関する意見交換を実施しています。
2022年6月28日には、新型コロナウイルス感染拡大により自粛していた地域住民との対面での意見交換を、感染防止対策を徹底した上で3年ぶりに再開し、16名の地域住民の方にご参加いただきました。当日は、会社の取り組み紹介や2021年1月に完成した新しいビル「F-BASE」の紹介も含む工場見学も実施し、富士工場の取り組みへの理解をさらに深めていただく機会となりました。なお、意見交換のなかで地域住民の皆様からいただいたご意見、ご要望については、社内で対応を検討の上、改善し、その内容を報告する運用にしています。
富士工場は、継続的な地域住民との意見交換の実施が評価されて、2016年に一般社団法人日本化学工業協会の第10回レスポンシブル・ケア(RC)賞の「RC優秀賞」を受賞しています。引き続きこの取り組みを実施していることに加え、コロナ禍においても安全に配慮した上で積極的に地域住民とコミュニケーションを行う姿勢が評価され、同協会の第17回RC賞の「RC努力賞」を受賞しました。今後も、富士工場では地域住民とのコミュニケーションを継続することで相互の理解を深め、信頼関係構築に努めていきます。

ダイセルグループが国内外各地で取り組む清掃活動

当社グループでは、事業場がある地域の清掃活動に積極的に参加し、まちの美化や自然環境の保全、地域住民の方々との交流・コミュニケーションの促進に努めています。

尼崎市主催「10万人わがまちクリーン運動」に参加

当社とダイセルバリューコーティング株式会社では、2022年6月17日、神崎工場のある尼崎市が主催する「10万人わがまちクリーン運動」に参加し、社員約100名で神崎工場周辺の一斉清掃を実施しました。この運動は市民自らの手によるまちの美化、市民のわがまち意識の醸成、明るくさわやかなまちづくりの推進を目的に、尼崎市・市民・企業の有志が一体となる取り組みで、2008年から継続して実施されています。両社もこの趣旨に賛同し、地域住民の皆様との交流の一環として、運動開始当初より参加しています。

世界遺産「宮島」の海岸清掃イベントに参加

当社は、2050年に瀬戸内海へ流出するプラスチックごみの量をゼロにすることを目指す官民連携組織体「GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォーム」(GSHIP)に参画しています。2023年3月25日、同団体主催による広島県宮島の清掃イベントが開催され、子どもから大人まで144名が参加し、当社からも13名が参加しました。
当日は総計で約144kgのごみを回収しました。特に、カキ養殖用発泡スチロール・プラスチックパイプ・生活由来プラスチックが多く回収されました。

このほかにも、国内では韮川(群馬県伊勢崎市)・揖保川(兵庫県たつの市)・姫路市内・直江津海岸船見公園(新潟県上越市)など、当社グループの事業場周辺の各地で清掃活動を実施しました。

米国ミシガン州 Arbor Adopt-A-Park eventでの清掃イベントに参加

2022年5月6日、Daicel Arbor Biosciences(以下Arbor)は、第2回目となるArbor Adopt-A-Park eventに参加しました。およそ20名のArbor社員有志がボランティアとして、ミシガン州イプシランティ・ペニンシュラ公園の小道や自然区域でごみ拾いを行いました。当日はあいにくの雨天でしたが、参加者は悪天候のなかでも一生懸命ごみを回収しました。結果、23袋分のごみのほか、捨てられていた椅子なども回収し、公園を美化することができました。

ボランティア活動

タイ・プラチンブリでの地域社会におけるCSR活動

Daicel Safety Systems (Thailand) Co., Ltd.(以下DSST)は、地域住民と共に、お互いに助け合いながら、継続的なCSR活動に取り組んでいます。

毎月の地域訪問活動(Monthly Community Visit)

DSSTでは、事業場周辺の住民との相互理解を深めるため、毎月社員による地域への訪問活動を実施しています。
訪問当日は、DSSTの社員4~5名が、事業場周辺の寺院や地域の代表者を訪問し、僧侶と一緒に住民の健康を祈願します。タイでは約95%の国民が仏教を信仰しており、地域住民の生活や習慣に深く根ざしているため、毎月の定期的な訪問活動は、地域との相互理解促進につながっています。

地域の代表者への訪問
仏教の日に実施した、寄付とチャリティー活動

職業能力開発を担う政府機関への寄付(Skill Development Foundation)

DSSTでは、政府による地域住民の能力開発プログラムを支援するため、寄付活動を実施しています。この能力開発プログラムは、何らかの理由で自身の能力開発の機会を得られない人たちへの支援を目的とするものです。

支援先のスキル開発セミナー会場の様子

地域の子どもたちへの支援活動(Daicel Sharing Happiness to Community Project)

DSSTでは2022年11月11日、「Daicel Sharing Happiness to Community Project」を実施しました。この支援活動は、地域の子どもたちの学習環境の改善と、社員と子どもたちとの交流を通じた地域住民との相互理解の促進を目的としています。
当日は、社員と地域住民が一緒になって、古くなった小学校の校舎壁面や路面を再塗装し、子どもたちの学習環境の改善に取り組みました。また、学生への奨学金の寄付や、地域住民への食糧支援活動も実施しました。

路面再塗装の様子
寺院への寄付の様子

このほかにも、事業場周辺の寺院への寄付・ろうそく寄贈や、社員による献血など、DSSTでは年間を通して様々な活動を実施しています。今後もDSSTが地域住民と交流を深めるとともに、地域社会の発展に貢献できるよう、活動を継続していきます。

中国・上海での老人ホームへの慰問活動

Daicel Chiral Technologies (China) Co., Ltd.(以下DCTC)は、2022年12月15日、上海市内にある老人ホームでの慰問活動に参加しました。
当日は、DCTC代表の2名が、認知症患者を支援するボランティア団体と一緒に施設を訪れました。寒い冬を暖かく過ごすヒーターや、オンライン診療時に画面の文字を見やすくする拡大鏡など、事前に入居者からリクエストをいただいた品物を寄贈しました。
DCTCが連携したボランティア団体は、認知症に対して芸術や運動からのアプローチを研究しており、定期的に芸術活動や運動を行うことで、QOLを高められるよう支援しています。
今後は、入居者と当社社員が一緒に絵画やダンスを楽しむような、相互交流ができるイベントを実施したいと考えています。

QOL:Quality of Lifeの略で、物理的な豊かさだけでなく、精神面も含めた生活の質のこと

シンガポールでの食品ロス削減の取り組み(food donation)

2022年11月22日、Daicel (Asia) Pte. Ltd.ではNPO団体のFood Bankと協力して、食品ロス削減の取り組みを実施しました。
この取り組みは、品質に問題がないものの、市場では流通できなくなった食品を、Food Bankから購入して寄付する活動です。
当日はFood Bank監督の下、社員総出で食品を個別に袋詰めし、一足早いクリスマスプレゼントを届けるような気持ちで地域住民へお渡ししました。訪問先の方々は、とても喜んで受け取られました。
全社員を対象にした食品ロス削減の活動は、当社では初めての試みでしたが、活動を通して社員の一体感が高められたほか、サステナビリティについて考える良い機会ともなりました。

ポーランドでのウクライナ避難民への支援活動

ポーランドはウクライナの隣国であり、2022年2月に始まったウクライナでの戦争によって、多くの避難民の避難先となっています。戦争が始まった最初の数カ月間だけで、安全な場所を求める女性と子どもを中心に、およそ300万名が避難しました。ポーランド政府は、地方にも避難所の設置を開始したほどです。
3月~4月にかけて、Daicel Safety Systems Europe Sp. z o. o.(以下DSSE)があるジャルフの町では、自治体として170名の児童を含む難民496名を受け入れるため、食料・衣服・住居など生活必需品の確保に取り組みました。
DSSEも町に協力し避難してきた方々を支援するため、寄付を行いました。寄付金は4世帯分の1カ月間の生活費(電気・水・住居・食料など)として活用されました。
また、社員による募金活動の実施や、子どもたちが少しでも普段の生活に近づけるよう、学用品・おもちゃ・ベビーカー・自転車などの寄贈も行いました。
このように、DSSEは公的機関や住民と協力し、ウクライナから避難してきた人たちに安全な場所を提供できるよう努めました。