サステナビリティサステナビリティマネジメント

当社グループは、「価値共創によって人々を幸せにすること」を基本理念として日々事業活動を行っています。現在、持続可能な社会の実現に向けて人々の価値観が⼤きく変化していく中で、当社グループは「サステナブル経営⽅針」として経営に対する考え方を明文化しました。本⽅針に基づいて「安全・品質・コンプライアンス」を最重要基盤とし、誠実さと地道な努⼒、そして⾃らの変⾰により、サステナブルな社会の実現とグループの事業拡⼤を両⽴していきます。

サステナブル経営方針

サステナブル経営方針

  • 人々の豊かな生活を実現する新しい価値を創造し提供します
  • 全てのステークホルダーとともに地球環境と共生する循環型プロセスを構築します
  • 多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を進めます

2020年6月5日制定

サステナブル経営方針の概念図

サステナブル経営方針の概念図

サステナブル経営体制

当社グループは2020年度より、社長を委員長、CSR関連部門の部門長を委員、全ての専務執行役員・各事業部門・R&D部門および生産部門の担当役員ならびに主要グループ企業の役員がアドバイザーとして参加する「サステナブル経営委員会」を設置しています。委員会は通常2・6・10月の年3回開催され、マテリアリティに基づき、循環型社会構築への貢献、気候変動への対応や人権の尊重などについて経営レベルでの議論を行っています。さらに、課題別分科会では、LCA、サプライチェーン、CSRなど、サステナビリティに関連するテーマごとの取り組みの強化や情報開示のさらなる充実に努めています。

当社グループでは中期戦略への取り組みとCSR基盤強化のため、サステナビリティにおける重要課題「マテリアリティ」を特定し、各課題のKPI(重要業績評価指標)を設定しました。

取締役会は、マテリアリティに関連するKPIの進捗状況など、サステナブル経営委員会から定期的な報告を受けることにより、当社グループのサステナビリティ推進状況を監督します。

KPIについては、ステークホルダー・エンゲージメントを通して、定期的にインパクトを再特定し、必要に応じて修正します。サステナブル経営委員会においてKPIの定期的な進捗評価を行うことでCAPDサイクルを回していきます。2022年度も計3回サステナブル経営委員会を開催し、主にマテリアリティ選定とそのKPI、気候変動や人権問題への対応などについて討議し、その内容について取締役会で報告しました。

計画を起点とした活動では重要な事実を⾒落としてしまうおそれがあると考え、当社グループでは⼀般的なPDCAではなく、CAPDを改善サイクルとしています。

サステナブル経営体制図

サステナブル経営体制図

「国連グローバル・コンパクト」への賛同

当社グループは責任ある企業経営を推進するため、かねてからグループの各種方針を定め、遵守しています。これらに通じるものとして2020年4月、「責任ある企業市民としてグローバルな課題を解決していく」という「国連グローバル・コンパクト」の趣旨に賛同し、署名しました。

国連グローバル・コンパクト10原則とダイセルグループの取り組み[PDF:732KB]

GCロゴ

サステナブルな社会の実現に向けた取り組み

当社グループは社会課題を認識し、製品や事業プロセスがサステナブルな社会の実現に貢献し、社会に新たな価値を創出していくことを企業としての使命と考えています。

2020年度より、この考え方を従業員一人ひとりに浸透させるため、階層別研修にサステナブル経営に関するカリキュラムを組み込んだり、従業員の自主的な活動を支援するSDGsアンバサダー活動などをスタートさせ、推進しています。

また、中期戦略に掲げた「循環型社会構築への貢献」を具体的に実践すべく、マテリアリティを特定し、関連するKPIを設定しました。KPIを通じて各部門のサステナビリティへの貢献度合いをミエル化するとともに、製品についてはサステナビリティへの貢献度評価および認定制度の構築を目指しています。

重要課題(マテリアリティ)

サステナビリティの社内浸透への取り組み

当社グループでは、従業員一人ひとりがサステナブルな考え方を理解し、自分の業務と結び付け、その実践に寄与することを意識して行動していくことが何よりも重要と考えています。サステナブル経営推進室を中心に、様々な取り組みを通じて社内浸透を推進しています。

階層別研修におけるサステナブル経営に関する研修の実施

2022年度は新入社員・新任リーダー職など、進級者を対象として行う階層別研修に、サステナブル経営をテーマに置いたプログラムを組み込みました。企業倫理やレスポンシブル・ケアなど他のCSR関連部門や人事部門と連携し、基本理念・サステナブル経営方針・人事方針・マテリアリティについて、グループ討議を含めた実践的なプログラムにより、当社グループ方針とサステナブル意識のつながりを社内へ浸透させていきます。2022年度は、グループ全体で約440名が受講しました。今後も入社からリーダー職登用まで系統的に、将来サステナブル経営を担う人財を育成していきます。

当社では管理職をリーダー職と呼称しています。

サステナブル意識調査の実施

社内浸透の取り組みの成果を確認するため、2019年度よりサステナブル意識調査を実施しています。2023年2月には4回目の調査を実施し、国内グループ企業を含む約5,500名にアンケートを行いました(回答率76%)。80%を超える回答者が、ダイセルグループのサステナビリティを各自の業務と結び付ける重要性を感じていることを確認しました。引き続き、一人ひとりが自分ゴトとして実践できるように社内浸透を推進していきます。

「サステナブルウィーク2022」(全社イベント)の開催

2020年度より、オンラインも活用した全社イベントである、「ダイセルグループサステナブルウィーク」を開催しています。2022年度は、11月18日から28日に、3回目となるサステナブルウィークを開催しました。「サステナブルを身近なことから結び付け自分ゴトにしていこう~私たち一人ひとりがつなぐ『みらい』~」をテーマとして、社長によるトップメッセージの配信、プロラグビーチーム静岡ブルーレヴズの山谷社長による講演会とトークショー、グループ全体で取り組んだ物品寄付活動「もったいない大作戦2022」など、10項目のイベントを実施しました。当日参加できなかった従業員への動画配信も行い、イントラネットの特設サイトでは総アクセス数が6,000を超えました。

静岡ブルーレヴズ
静岡ブルーレヴズ山谷社長と杉本専務執行役員のトークショー(「私のサステナブル」を紹介)

SDGsアンバサダー活動

サステナビリティやSDGsに興味・意識を持っている従業員が職場・職種・役職に関係なく集まり、自らの学びを深め、社内で広めるコミュニティ「SDGsアンバサダー」を、2020年度に発足しました。4年目となる2023年度は、グループ企業や海外駐在者も含め、総勢140名(2020年度は74名)が参加し活動しています。毎月開催する講演会や交流会(2022年度は9回開催)を通じて事業所を超えた交流を行い、基礎講座やチーム活動を通してサステナブルな取り組みを学び、深め、広めています。中でも熱い想いを持った11名は、サステナブルな考え方と業務を紐付け、事業所や部門などで社内浸透をリードするサステナブルキーパーソンとして活躍しています。

TOPICSSDGsアンバサダーの活動事例

広畑工場

サステナブルウィークに合わせ、従業員誰もが参加できるサステナブルなイベントを、独自で企画しました。広畑工場と他事業所のSDGsアンバサダーのコラボ企画「分煙について考えるワークショップ」や「従業員みんなで作る正門花壇」を開催した他、一人ひとりの想いを共有する「私のサステナブル」の取り組みには70名を超える投稿が寄せられるなど、イベントを通じて多くの従業員がサステナビリティを身近に感じることができました。

DMノバフォーム株式会社

2021年度にジェンダー平等を考える運動として「ピンクマスク活動」を実施したことに続いて、2022年度は「レインボーマスク活動」を実施しました。長野工場・岡山工場・青森工場の3拠点で従業員が普段着けているマスクを「レインボーマスク」にすることで、LGBTQについて考える機会としました。

大竹工場

2021年5月に実施した、工場の業務とSDGsを、コーヒーを介して結び付けるイベント「コーヒーで学ぶSDGs」を、11月にはサステナブルウィークを活用し、全社向けにオンラインで開催しました。また、その後DMノバフォーム株式会社の3拠点とオンラインでつないで共同で実施することができ、事業所内だけで始まった活動がグループの垣根を越えた交流へとつながりました。延べ250名以上の従業員が参加し、ダイセルグループのサステナビリティと自らの業務が、SDGs視点でつながっていることを認識するきっかけとなりました。

DMノバフォーム株式会社と大竹工場で共催
目標別チーム活動

SDGsが掲げる17の目標について興味を持つメンバーが集まり、目標ごとにチームを編成して活動を行っています。所属や事業所を越えた多様なメンバーが身近な体験やディスカッションを通して目標を深掘りし、2023年3月にオンラインのアンバサダー交流会で1年間の成果を共有しました。

SDGsアンバサダーロゴ

社内周知活動

社内広報誌やグループのイントラネットを通じて、ダイセルグループのサステナブルな活動やSDGsアンバサダー活動の周知を図っています。また、2022年度のサステナブルウィークではSDGsアンバサダーが中心となり、サステナブルに関する取り組みやイベントを通じて業務との結び付きを実感できる企画を立案・実行しました。

社内周知活動

ステークホルダー・エンゲージメント

当社グループは、お客様をはじめ、お取引先、株主・投資家の皆様、地域社会、従業員、産学界を含めた事業に関わる全てのステークホルダーの皆様との高い信頼関係と協働関係を築き、誠実な企業を目指しています。皆様からの当社グループに対する要請や期待を的確に捉え、事業活動に反映していきます。

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ステークホルダー 詳細 主なコミュニケーション方法
お客様 製品およびソリューションを提供する顧客および一般消費者
  • ホームページなどによる情報提供
  • 問い合わせ窓口
  • 展示会の実施および出展
株主・投資家 株主、個人投資家・機関投資家
  • 株主総会
  • 決算説明会
  • 事業説明会
  • 個別面談
  • 海外投資家向けオンライン個別面談
  • 海外投資家個別訪問
  • スモールミーティング
  • 施設見学会
  • ダイセルレポート・ウェブサイトによる情報提供および情報開示問い合わせ窓口
お取引先 原材料・燃料・部品などの調達先、協力会社
  • レスポンシブル・ケア推進活動
  • 問い合わせ窓口
  • CSR調達アンケート
従業員 ダイセルグループの全社員
  • 各種研修・教育訓練
  • グループ広報誌および社内イントラネット
  • 企業倫理ヘルプライン
地域社会 オフィス・事業場などの拠点のある地域
  • ボランティア活動
  • 地域住民との交流イベント
  • 地域イベントへの参加
産学界 共に研究開発をするパートナー企業や大学・研究機関
  • 共同研究開発
  • プロジェクトへの参画