サステナビリティサステナビリティマネジメント

当社グループは、「価値共創によって人々を幸せにする会社」を基本理念として日々事業活動を行っています。現在、持続可能な社会の実現に向けて人々の価値観が大きく変化していく中で、当社グループは「サステナブル経営方針」として経営に対する考え方を明文化しました。本方針に基づいて「安全・品質・コンプライアンス」を最重要基盤とし、誠実さと地道な努力、そして自らの変革により、サステナブルな社会の実現とグループの事業拡大を両立していきます。
また、当社グループは、「責任ある企業市民としてグローバルな課題を解決していく」という趣旨に賛同し、サステナビリティに真摯に取り組む企業姿勢を表明するため、2020年4月に「国連グローバル・コンパクト」に署名しました。

国連グローバル・コンパクト10原則とダイセルグループの取り組み[PDF:732KB]

サステナブル経営方針

サステナブル経営方針

  • 人々の豊かな生活を実現する新しい価値を創造し提供します
  • 全てのステークホルダーとともに地球環境と共生する循環型プロセスを構築します
  • 多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を進めます

2020年6月5日制定

サステナブル経営方針の概念図

サステナブル経営方針の概念図

サステナブル経営体制

当社グループでは中期戦略『Accelerate 2025』の策定にあたり、その実現を促進するサステナビリティにおける重要課題「マテリアリティ」を特定し、各課題のKPI(重要業績評価指標)を設定しました。
2020年度より、社長を委員長とするサステナブル経営委員会(通常3回/年)を設置し、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)について経営レベルでの議論を行うとともに管理を行っています。さらに、LCA、サプライチェーンなど、サステナビリティに関連するテーマごとに立ち上げた課題別分科会では、各々の分科会において担当役員が責任者として関わっており、取り組みの強化や情報開示のさらなる充実に努めています。
KPIについては、ステークホルダー・エンゲージメントを通して、定期的にインパクトを再特定し、必要に応じて修正します。サステナブル経営委員会においてKPIの定期的な進捗評価を行うことでCAPDサイクルを回していきます。

また、取締役会は、マテリアリティに関連するKPIの進捗状況など、サステナブル経営委員会から定期的な報告を受けることにより、当社グループのサステナビリティ推進状況を監督します。

2023年度は計3回サステナブル経営委員会を開催し、主に気候変動への対応、循環型社会構築への貢献認定制度、GHG排出量削減の取り組み、CFP(カーボンフットプリント)算定などについて討議し、その内容について取締役会で報告しました。
引き続きサステナビリティに関連する課題の解決、取り組みのレベルアップに向けて歩みを進めていきます。

計画を起点とした活動では重要な事実を⾒落としてしまうおそれがあると考え、当社グループでは⼀般的なPDCAではなく、CAPDを改善サイクルとしています。

重要課題(マテリアリティ)

サステナブル経営体制図

サステナブル経営体制図

ダイセルグループ サステナビリティ推進大会

当社グループは、サステナブル経営方針の下、常に高い意識を持ちサステナブルな社会の実現とグループの成長の両立を推進するため、年度始めに「ダイセルグループ サステナビリティ推進大会」を開催しています。推進大会には、当社の経営層をはじめ、ダイセル労働組合代表・SBUや各部門代表・グループ企業社長などが出席し、想いの再確認と共有を図っています。

2023年度は2部構成とし、対面/リモートのハイブリッド方式で開催し、約110名が参加しました。第1部では社長をはじめ、RC委員会委員長・副委員長・安全と品質を確かなものにする本部長・企業倫理室長およびサステナブル経営推進室長がメッセージを発信しました。第2部では、幕田英雄社外監査役が「UL問題とサステナブル」を演題に講演を行いました。

2024年度は、約80名の出席者が東京本社で5年ぶりに一堂に会し、愛せる未来を実現するためとの想いを込め「愛せる未来を語る会」として2部構成で開催しました。第1部では、当社グループの基本理念である「価値共創によって人々を幸せにする会社」であり続けるための最重要基盤である「安全・品質・コンプライアンス」について、経営トップおよびダイセル労働組合代表からメッセージを、サステナブル経営推進室長および安全と品質を確かなものにする本部長が提言を発信しました。第2部では、安全・品質を確かなものにするための取り組みについて、各事業場長・安全環境部門長・品質保証部門長・総務部門長で討議し、共有する場としました。

サステナビリティ推進大会
サステナビリティ推進大会

サステナブルな社会の実現に向けた取り組み

当社グループは社会課題を認識し、製品や事業プロセスがサステナブルな社会の実現に貢献し、社会に新たな価値を創出していくことを企業としての使命と考えています。

2020年度より、この考え方を社員一人ひとりに浸透させるため、階層別研修にサステナブル経営に関するカリキュラムを組み込んでいる他、社員の自主的な活動を支援するSDGsアンバサダー活動をスタートさせるなど、様々な活動を推進しています。

サステナビリティの社内浸透への取り組み

当社グループでは、社員一人ひとりがサステナブルな考え方を理解し、自分の業務と結び付け、その実践に寄与することを意識して行動していくことが重要と考えています。社員の理解を促進させるために、サステナブル経営推進室を中心に、関連部門と連携し、様々な取り組みを通じて社内浸透を推進しています。

階層別研修におけるサステナブル経営に関する研修の実施

新入社員・新任リーダー職など、進級者を対象として行う階層別研修に、サステナブル経営をテーマに置いたプログラムを組み込んでいます。企業倫理やレスポンシブル・ケアなど他のCSR関連部門や人事部門と連携し、基本理念・サステナブル経営方針・人事方針・マテリアリティについて、グループ討議を含めた実践的なプログラムにより、当社グループ方針とサステナブル意識のつながりを社内へ浸透させています。2023年度は、グループ全体で約800名が受講しました。今後も入社からリーダー職登用まで系統的に、将来サステナブル経営を担う人財を育成していきます。

当社では管理職をリーダー職と呼称しています。

サステナブル意識調査の実施

社内浸透の取り組みの成果を確認するため、2019年度よりサステナブル意識調査を実施しています。2024年2月には5回目の調査を実施し、国内グループ企業を含む約5,500名にアンケートを行いました(回答率84%)。90%を超える回答者が、当社グループのサステナビリティを各自の業務と結び付ける重要性を感じていることを確認しました。引き続き、一人ひとりが自分ゴトとして実践できるように社内浸透を推進していきます。

「サステナブルウィーク2023」(全社イベント)の開催

2020年度より、サステナビリティについて考える機会として、オンラインも活用した全社イベント、「ダイセルグループサステナブルウィーク」を開催しています。2023年度は、「サステナブルを身近なことから結び付け自分ゴトにしていこう~私たち一人ひとりがつなぐ『みらい』~」をテーマに、11月20日から30日にかけて実施しました。初日に社長によるトップメッセージが寄せられ、本イベントが始まりました。会期中は、GHG排出量削減に向けたカーボンニュートラル戦略や新技術の開発における自社の最先端の取り組みなど3テーマについて実際に担当している社員による講演を通じて、当社グループの循環型社会への貢献に対する具体的なアプローチを学ぶことができました。各講演は各事業の主要拠点で開催されたため、会場での参加者に加え、オンライン視聴を含めると計850人を超える社員がリアルタイムで参加したイベントとなりました。その他、グループ全体で取り組んだ物品寄付活動「もったいない大作戦2023」など、10を超えるイベントを開催し、社員がサステナビリティを身近に感じる良いきっかけとなりました。当日参加できなかった社員への動画配信も行い、イントラネットの特設サイトでは総アクセス数が3,500を超えました。

カーボンニュートラル戦略について、川口専務執行役員の説明に続いて、実務担当者から講演会を実施
カーボンニュートラル戦略について、川口専務執行役員の説明に続いて、実務担当者から講演会を実施
技術開発拠点iParkから、現在実装化に向けて取り組んでいる最先端技術について発信
技術開発拠点iParkから、現在実装化に向けて取り組んでいる最先端技術について発信

SDGsアンバサダー活動

サステナビリティやSDGsに興味・意識を持っている社員が職場・職種・役職に関係なく集まり、自らの学びを深め、社内で広めるコミュニティ「SDGsアンバサダー」を、2020年度に発足しました。5年目となる2024年度は、グループ企業や海外駐在者も含め、総勢158名(2020年度は74名)が活動しています。具体的には、毎月開催する講演会や交流会(2023年度は9回開催)、基礎講座やチーム活動を通じて事業場を超えたサステナブルな取り組みを行っています。なかでも熱い想いを持った9名は、サステナブルな考え方と業務を紐付け、事業場や部門などで社内浸透をリードするサステナブルキーパーソンとして活躍しています。

また、SDGsが掲げる17の目標について興味を持つメンバーが集まり、目標ごとにチームを編成して活動を行っています。2023年度も所属や事業場を越えて集まった多様なメンバーが身近な体験やディスカッションを通して目標を深掘りし、2024年3月にオンラインのアンバサダー交流会で1年間の成果を共有しました。

SDGsアンバサダーロゴ

TOPICSSDGsアンバサダーの活動事例

DMノバフォーム株式会社

事業場をまたがったサステナビリティを切り口とした取り組み「Oneノバフォーム」を、SDGsアンバサダーを中心に積極的に推進しています。2023年度には、事業場が所在する長野県、青森県が推奨するSDGs推進企業として登録し、サステナビリティに取り組んでいることを社内外に向けて発信しました。

長野県SDGs推進企業登録証
青森県SDGs取組宣言登録証
「エールひろば・チャレンジねっと」(SDGs目標8・目標17のチーム活動)の取り組み

「エールひろば・チャレンジねっと」は、「障がいを抱えていても働きやすい職場=誰にとっても働きやすい職場って何だろう?」をキーワードにディスカッションや発信を行い、職場における「チャレンジ」を応援しています。2023年度の活動では、大竹工場内にある「ダイセル大竹産業株式会社」にインタビューを行い、その模様を社内イントラネットでグループ全体に共有しました。ダイセル大竹産業株式会社は「障がいのある方が活躍できる会社」を目指し、障がい者の方々を支援するための仕組みを作ってきました。日頃からコミュニケーションを大切にし、心のケアや現場改革・業務範囲の調整など、一人ひとりに合ったサポートを実施して、障がい者の方々が働きやすい職場を増やす努力を続けています。その取り組みが評価され、2023年8月4日、厚生労働省より障害者雇用優良中小事業主認定制度(もにす認定制度)の認定を受けました。

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進

大竹産業インタビュー
SDGs目標14のチーム活動

SDGs目標14について学びを深めているチームでは、日頃の活動の成果をDAICON2023(ダイセルグループ・ビジネスコンテスト)で発表し、特別賞を受賞しました。

SDGs目標14のチーム活動
イベントを通じた社内周知

2023年度のサステナブルウィークではSDGsアンバサダーが中心となり、総務部門と連携し、障がい者就労支援事業所の製パン・焼き菓子の販促会を東京本社・大阪本社で開催しました。既に播磨工場や広畑工場で実施していた同様の取り組みにヒントを得て実現したこのイベントは、大変好評を得て、その後、定期的に開催することになりました。このようなイベントを企画・実行することを通じて、社内でサステナブルに関する活動やSDGsアンバサダーを身近に感じてもらう取り組みを推進しています。

SDGs目標14のチーム活動
SDGsアンバサダーが中心となって企画した、障がい者就労支援事業所の製パン・焼き菓子販売

ステークホルダー・エンゲージメント

当社グループは、お客様をはじめ、株主・投資家の皆様、お取引先、社員、地域社会、産学界を含めた事業に関わる全てのステークホルダーの皆様との高い信頼関係と協働関係を築き、誠実な企業を目指しています。皆様からの当社グループに対する要請や期待を的確に捉え、事業活動に反映していきます。

横にスクロールします。

ステークホルダー 詳細 主なコミュニケーション方法
お客様 製品およびソリューションを提供する顧客および一般消費者
  • ウェブサイトなどによる情報提供
  • 問い合わせ窓口
  • 展示会の実施および出展
株主・投資家 株主、個人投資家・機関投資家
  • 株主総会
  • 決算説明会
  • 事業説明会
  • 個別面談
  • 海外投資家向けオンライン個別面談
  • 海外投資家個別訪問
  • スモールミーティング
  • 施設見学会
  • ダイセルレポート・ウェブサイトによる情報提供および情報開示問い合わせ窓口
お取引先 原材料・燃料・部品などの調達先、協力会社
  • レスポンシブル・ケア推進活動
  • 問い合わせ窓口
  • CSR調達アセスメントシート
社員 当社グループの全社員
  • 各種研修・教育訓練
  • グループ広報誌および社内イントラネット
  • 企業倫理ヘルプライン
地域社会 オフィス・事業場などの拠点のある地域
  • ボランティア活動
  • 地域住民との交流イベント
  • 地域イベントへの参加
産学界 共に研究開発をするパートナー企業や大学・研究機関
  • 共同研究開発
  • プロジェクトへの参画