バイオマスバリューチェーン

健康な森を再生し、
産業資源を循環させて、
地域経済を活性化させる

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バイオマス
バリューチェーン
構想

国土の約7割が森である国、日本。
けれどその森には今、樹齢50年を越えて
CO₂を吸収しにくくなった樹木が多数放置されています。

溶かすのが難しい木材を、常温で環境負荷をかけずに液化する
画期的な新技術を駆使することで、
森の木を石油化学原料の代替として積極的に利用しながら、
CO₂を吸収しやすく、土壌の保水能力が高い健康な森を再生し、
産業資源を循環させて地域経済を活性化させる

それが、100年以上に渡り植物由来の化学素材である酢酸セルロースなどの
木質バイオマス素材と向き合い続けたダイセルが提案する
社会問題を解決するための仮説「バイオマスバリューチェーン」です。

木材だけでなく、農業や水産業の廃棄物から資源をつくることもできるため、
地方の生活基盤に安定をもたらし、土砂災害を引き起こしている原因となる
荒れた放置山林を、経済を生む資源の森に変えていきます。

日本の未来のために、
持続可能な循環型の産業生態系をつくるこの構想の実現には、
まだまだ多くの共感と技術共有による共創が必要です。

ダイセルの
想いと仮説

株式会社ダイセル 取締役会長

小河義美

資源循環技術のオープンイノベーションで日本産業界の新ルネッサンスと地域再生を同時に達成したい。

サステナブルなプロダクトを提供することが我々素材メーカーの使命です。けれどそれはプロダクトだけを考えていては不可能なのです。プロセスも、そこで働くピープルもサステナブルでないといけない。そもそもバイオマスは非常に反応しづらいもの。それは木が溶けないことが主な原因です。溶けないから工程がとても長くなり、工程が長いとどうしてもエネルギーが多消費になってしまいます。環境にやさしいものを作るという名目のもとで環境に非常に負荷の高い、高エネルギーで多消費型のプロセスになってしまう。これではとても環境にやさしいとは言えません。そしてピープルにおいても、まずものづくりに関わる人が「世の中に良いものを提供できるんだ」という誇りと自信を持てること。これがとても大切です。

そもそも日本の国土の約7割が森林です。しかも高温多湿で雨が多いから森林の再生力もとても強いのです。ただ日本は非常に斜面がきつく、山々の谷間が深いですから、作業のコストがかかるために、どうしても木材が割高になる。だから復興のため戦後に植えた針葉樹が、ほとんど手付かずになってしまっている。その木を環境に負荷をかけない技術で丸ごと溶かすことで使えるようになれば、放置されている森の再生になりますし、新しい木を植林するための元手にもなる。その時に針葉樹ではなく、日本の自然植生である広葉樹の森に戻せば山の保水力は飛躍的に上がり、土砂災害の起きにくい強い土壌に戻すこともできる。

我々企業としては儲からなきゃいけないんですけれども、今は果たして単純に儲かるだけでいいのだろうかと考えています。企業活動が自然破壊に繋がってはいけないし、元々日本にあった国土を取り戻す、その原資になれるほうが儲かるよりももっと大きな意義がある。バイオマスバリューチェーンという広義の定義の中に、狭義の定義であるバイオマスプロダクトツリーをまず創ろうと思っています。バイオマスプロダクトツリーというのは、バイオマスバリューチェーンの中の一つの根幹をなす技術の束のこと。石油製品の代替可能な機能製品を視野に入れています。溶かす技術をもっと簡単に使えるようになれば、例えばその森がある地域の農業や水産業の廃棄物なんかも溶かして有効なフィルムとか糸にすることができます。そういった素材を使って例えば地域の新たな特産品をつくることで有価物として再利用できる。そんなふうに私たちの技術を、その地域の特徴を活かせる価値づくりに使ってもらいたいのです。我々が開発する技術は、産業界の新しいルネッサンスを起こす石油代替をやることと、もっと身近な形で利用してもらえる地域の活性化に使っていただくこと、この二つを同時に行えるのが、この構想の大切なところです。

  • Biomass Value Chain

    13:13
  • Biomass Value Chain

    12:09

Biomass Innovation Video archives

持続可能な資源循環を生み出すための技術開発。ダイセルは、京都大学や金沢大学と共同研究を重ね、高熱でも溶解しない木材を化学の力で常温溶解する様々な技術を得ています。
これにより、日本に手つかずのまま豊富に存在する木材は、建材としてだけでなく、無駄なくまるごと石油プラスチックの代替ともなる資源に生まれ変わります。また、木質バイオマス素材は、石油のそれとは異なる機能を様々に付加できる可能性を秘めています。

ここでは、これまでの研究とこれからの研究課題、様々な可能性と構想を現場研究者の声を通して共有し、共感と共創の輪を広げる第一歩を作るために、わたしたちの技術を紹介します。

京都大学 × DAICEL

笠置山林会議
6:51

Biomass Innovation
Video Archive@Kyoto University

京都大学×ダイセル
研究開発まとめビデオ
15:04
  • 木材をまるごと常温で溶解する

    京都大学 生存圏研究所

    特任教授渡辺隆司

    • 常温溶解・パイプライン輸送 / ウッドペーパー

      1:31
    • 森林経済 / 開かれたグループ化

      1:20
    • 発想の転換 / 共創

      0:57
  • リグニンを環境負荷無く常温で分解する

    京都大学 化学研究所

    教授中村正治

    • グリーンケミストリー / 自然資本思想 / 千年思想

      1:40
    • 里山化学工房 / 山の保水力の回復

      1:13
    • リグニン穏和分解技術 / セルロース新化学産業 廃棄物利用技術 / バイオマスの機能化

      2:24
  • 木質バイオマスのNMR解析で新たな素材を創造する

    京都大学 副理事

    エネルギー理工学研究所

    所長 教授片平正人

    • 木質バイオマスの化学構造 /NMR 解析

      1:22
    • 0:57
    • 0:49
  • 木材3成分を一度の反応で機能化させる

    京都大学 農学研究科

    教授上髙原浩

    • 石油とバイオマス / 木材と CO₂の固定化

      2:06
    • メチルセルロース / 木材のメチル化 ヘミセルロースの機能化 / 一度の反応で機能化させる

      2:52
    • 生分解性 / 多様な物質の特性を生かす

      1:54
    • 1:17
  • セルロースから水素を副生し発電する

    京都大学 人間・環境学研究科

    教授藤田健一

    • 触媒の役割

      1:41
    • 未来志向型合成 / 短期間で再生可能な資源 非可食性 / 水素の副生 / 廃棄物利用

      1:29
    • 再生可能資源の矛盾 / 知恵を結集する セルロース→水素→電気

      1:30
    • 1:16
  • 木質バイオマスをまるごと素材化する

    元京都大学大学院 農学研究科 准教授

    (株)PriMateria CEO/CTO

    吉岡まり子

    • 木材の3成分 材料に置換機を導入して機能化するベンジル化とブレンド

      2:25
    • 生分解性素材 / 木質の可塑化 実用化するために / プラスチック化木材 溶液化と液化

      3:16
    • 1:20

金沢大学 × DAICEL

金沢大学の構想/山崎 前学長
10:33

Biomass Innovation
Video Archive@Kanazawa University

金沢大学×ダイセル
研究開発まとめビデオ
20:19
  • ヒ素や希少金属をセルロースに吸着させる

    金沢大学 ナノ生命科学研究所

    教授前田勝浩

    • ヒ素や希少金属をセルロースに吸着させる

      1:16
    • 1:02
    • 0:52
    • 1:26
  • 低価格・低環境負荷のリサイクル

    金沢大学 理工研究域 物質化学系

    教授・学長補佐長谷川浩

    • 分離剤開発 分離化学 × 有機合成高分子化学

      1:18
    • 吸着技術・セルロースの利点 / リサイクル工学 セルロース燃焼の利点 / 社会実装化

      3:15
    • ヒ素吸着のデザイン カドミウム・鉛・セレンの取り出し / 土壌汚染水の浄化

      1:30
    • 産学連携・融合

      2:13
  • 高分子を様々な高機能素材にデザインする

    金沢大学 自然科学研究科

    准教授西村達也

    • スターポリマー / トコロジカルポリマー ペルシャ絨毯型ポリマー

      1:50
    • 極小ハードディスク / 螺旋高分子 新しいカラム / 選択性のデザイン

      1:30
    • 高感度ヒ素検出デバイス ヒ素センシング SICM ピペット / 金属吸着

      1:52
  • セルロースで石油プラスチックの代替素材をつくる

    金沢大学 理工研究域 生命理工学系

    教授髙橋憲司

    • セルロースの高機能化

      2:06
    • 1:15
    • 1:08
    • セルロースのデザインバリエーション / セルロースの可能性 / 世界を救う材料の未来 / 木材3成分の溶解とデザイン

      2:12
    • 1:24
  • セルロース素材の強度を様々にデザインする

    金沢大学 髙橋憲司研究室

    助教和田直樹

    • セルロースの強度設計 / 機能バリエーション・無限の可能性 / セルロースの多様なキャラクター / セルロース糸の強度設計 / 2030年セルロースの未来

      2:07

※登場者の所属、役職は2025年5月末時点のものです。

オープンイノベーションに向けて

日本の産業構造にイノベーションを起こし、国土を健康に再生させるバイオマスバリューチェーン構想。それを社会に実装するための研究と技術開発をダイセルは進めています。

しかしこの構想の実現は、ダイセルだけでは完成しません。エネルギーの需給バランスを産業界全体で可視化し、コントロールしながら、本質的なカーボンオフセットを共創していただける企業や自治体など志を同じくする方々とオープンイノベーションで推進したいと思っています。

そのための準備もまた確実に進めています。また、共同開発を望む大学もご相談ください。今こそ知恵と力を集結し、持続可能な社会の実現と、人類の幸福な未来をともに創造しましょう。

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