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株主・投資家の皆様には平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

2023年3月期の業績は、自動車生産や電子デバイスの需要低下の影響を受け一部製品の販売数量が減少する中でも、フィルター用アセテート・トウなど、需要が伸長する製品の販売数量を伸ばすとともに、高騰する原燃料や物流コストの販売価格への転嫁などにより増収を確保しました。一方、営業利益は、価格転嫁やコストダウン効果を上回る原燃料価格の上昇などにより減益となりました。

株主還元につきましては、中間期の発表通り、当期の期末配当を1株当たり20円とし、年間配当は、中間配当の18円と合わせ、前期から4円増配の1株当たり38円としました。また、2022年11月から2023年2月にかけて、約1,051万株、約100億円の自己株式の取得を実施し、この結果、株主還元性向は51.7%となりました。

2024年3月期の業績予想につきましては、自動車市場や電子デバイス市場の需要回復や販売価格の是正、生産性向上などにより、増収増益となる見通しです。引き続き、サプライチェーンの緊密な連携や、需要に応じた生産体制の構築などにより、販売機会を着実に捉えるとともに、全社のあらゆる領域において徹底したコストダウンを実践してまいります。

当社グループでは、中期戦略「Accelerate 2025」を通して、長期ビジョンに掲げている循環型社会の実現に向けた戦略遂行に取り組んでおります。中期戦略の前半では、不採算事業の撤退や生産地統廃合、JVの見直しなど構造改革に注力してきました。そして、これまでの個別戦略の進捗状況や策定当初からの環境変化を踏まえ、今年、中期戦略のアップデートを行いました。「安全・品質・コンプライアンス」を企業経営の最重要基盤として再確認するとともに、引き続き、「健康」「便利・快適」「安全・安心」「環境」という4つの注力領域での既存事業の成長、新事業の早期育成を進めるとともに、バランスシートコントロールやキャッシュアロケーションを意識した経営で、収益力とともに資本効率を高め、さらなる企業価値向上に取り組んでいきます。

これからも当社グループは、モノづくり技術の絶え間ないイノベーションと価値ある製品の提供による企業業績の向上を図るとともに、さまざまな企業・団体との新しい共創の仕組みを構築することで、単独では実現できない循環型社会の構築、エコロジーとエコノミーの両立に貢献していきます。

株主・投資家の皆様におかれましては、今後ともより一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2023年6月

代表取締役社長 小河義美

代表取締役社長
代表取締役社長 小河義美