IR情報ダイセル用語集

あ行

アクトランザ™ ラボ
アクトランザ™ラボは、自動車エアバッグ用インフレータの製造などで当社が培った火薬技術を応用して開発した遺伝子などの高分子物質を細胞内に送達できる動物実験用の投与デバイス(針のないインジェクター)です。遺伝子治療薬など次世代の医薬品に求められる新たな細胞内への薬剤送達技術になると期待されており、現在、ヒト臨床に向けた開発も進めています。

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アセテート・トウ
酢酸セルロースから作られるアセテート繊維を網目構造にしたもので、たばこのフィルターに使われています。たばこの香りや味わいを損なわず、有害成分の除去にも優れており、世界で販売されているほとんどのフィルター付きたばこで使用されています。
アセテートプラスチック
酢酸セルロースを主原料とするプラスチックで、透明性、靭性、吸湿性に優れ、他のプラスチックにはない色艶、柄、肌触りの良さがあり、メガネフレームをはじめ、玩具、筆記具などさまざまな製品に使用されています。アセテートプラスチックは、グループ企業のダイセルミライズ(株)がアセチ®の商標で販売しています。
イノベーション・パーク
兵庫県姫路市に立地していた「総合研究所」と「姫路技術本社」を2017年に再配置し、「イノベーション・パーク」として集約しました。大学や他企業とのオープンイノベーション、計算科学やシミュレーション技術を駆使したバーチャルラボによる新製品開発の加速、開発から量産、マーケティングを三位一体で取り組み、さらなる新事業の創出、育成に取り組んでいます。

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インフレータ
インフレータ(ガス発生装置)は、自動車の衝突を感知してから数ミリセカンドでエアバッグを膨らまし、乗員や歩行者の命を守るエアバッグシステムの基幹部品で、当社が長年培った火工品技術が用いられています。
ウェハーレベルレンズ
独自のUV/熱硬化透明材料およびインプリント成形技術を用いた光学レンズで、IoT、センシング技術の進展により需要の拡大が期待されるセンサー用カメラレンズなどに使用されています。

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液晶ポリマー(LAPEROS® LCP)
LAPEROS® LCPは耐熱性に優れ、桁違いの機械的強度をもち、薄くなればなるほどその強度が増すという特異な性質と、金属に近い低線膨張率を有しています。スマートフォンやタブレット端末など、小型化が進む最新IT機器の超薄肉ファインピッチコネクターに広く採用されています。また、次世代通信の高速伝送に最適な特性を備えるため、5Gや自動運転分野でも活躍しています。
エクオール
大豆イソフラボン(に含まれるダイゼイン)が腸内細菌により代謝される成分で、女性のアンチエイジング、ウェルエイジングに期待される注目の素材です。当社が長年培ってきた微生物バイオ技術を用いた独自の発酵法によって製造しています。日本人の半数が腸内でエクオールを産生できないとのデータもあり、エクオールはそのような方にとって特に有用です。
エポキシ化合物
当社のエポキシ化合物は、高透明性、高耐熱性という特徴を持った脂環式エポキシで、LEDやテレビ、スマートフォンなどの電子機器や自動車に搭載される部材に使用されています。
エンジニアリングプラスチック
エンジニアリングプラスチックとは、機械的強度、耐熱性、耐薬品性などに優れた高機能樹脂のことです。自動車、家電製品、電子デバイスから航空機や最新型ロボット、身近な食品や医療品のパッケージまで、現代生活のあらゆるシーンで使われています。エンジニアリングプラスチック事業はグループ企業のポリプラスチックス(株)が担っています。
エンプラアロイ
複数の樹脂を混合することで、新しい特性を持たせた樹脂です。グループ企業のダイセルミライズ(株)は、多様化し、複雑化・高度化していく製品市場に対し、培ってきたアロイ化技術を駆使して、新材料のニーズに即した製品の設計・開発を行っています。

か行

カプロラクトン
主にポリウレタンの材料として使用され、自動車部材、塗料、樹脂の添加剤など幅広い分野に使用されています。また、カプロラクトンを重合して得られる熱可塑性ポリカプロラクトンは生分解性と海洋生分解性を有しており、近年では他樹脂と高い相溶性を有することや成形が容易なことからバイオプラスチック分野で注目されはじめています。
環状オレフィンコポリマー(TOPAS® COC)
TOPAS® COCは、透明かつ非常にピュアな非晶性樹脂です。水蒸気バリア性、耐薬品性や安全性に優れ、品質基準が厳しい医療・薬品分野、包装分野からエレクトロニクス用途にいたる幅広い分野で活躍しています。プレフィルドシリンジから薬品包装シート、食品包装フィルムまで、身近な製品に採用されています。また、欧州では用途の一つとしてオレフィン系の他素材と組み合わせることでモノマテリアル可能なペットボトルフィルムとして使われており、環境配慮型製品としてリサイクル率アップに貢献しています。
銀ナノ粒子インク・ペースト
電子回路を樹脂などに直接印刷するプリンテッドエレクトロニクスで使われます。当社の銀ナノ粒子インク・ペースト「Picosil®」は、低温、短時間の焼成で、低抵抗(低体積抵抗)の平滑な表面性を持った銀塗膜を形成することが可能です。

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光学異性体分離カラム(キラルカラム)
ラセミ体の一方の光学異性体を分離するカラムです。医薬品の研究や製造において、例えば薬の副作用となる成分と薬として有効となる成分を分離するなどに使用されます。
高機能フィルム
有機ELやLCDの高精細ディスプレイでもギラツキが少ない防眩性(AG)フィルムや、超長寿命の抵抗膜式タッチパネル用アンチニュートンリング(ANR)フィルムなど、独自素材や技術を駆使した様々な光学用ハードコートフィルムを提供しています。また時代のニーズに合わせ、新たに抗ウイルスや抗菌機能を付与したフィルムを開発しました。

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さ行

酢酸
ポリエステル繊維や合成ゴム、食品添加物など幅広い用途を持つ基礎化学品の一つです。国内では唯一のメーカーである当社は、酢酸だけでなく酢酸エチル、無水酢酸など様々な酢酸誘導体も展開しています。
酢酸セルロース
天然素材のセルロース(植物繊維素)を原料とする半合成樹脂で、耐薬品性、耐熱性、難燃性に優れ、液晶光学フィルム、アセテート繊維、写真フィルム、プラスチック、分離膜などの広範な分野で使われています。
工業的に広く使用されている酢酸セルロースはセルロースジアセテートとセルローストリアセテート(TAC)の大きく2種類に分けられ、その必要特性に応じて様々な用途に用いられています。セルロースジアセテートはアセテート・トウ、セルローストリアセテートは液晶光学フィルムが主な用途です。
また、使用後の酢酸セルロースは土壌や廃棄物中だけでなく、海洋中でも自然界に存在する微生物によって水と二酸化炭素に分解されることから、海洋プラスチックごみ問題の解決策として期待されています。
酢酸セルロース真球状微粒子(BELLOCEA™)
酢酸セルロースは、親水性・疎水性をバランス良く併せ持つ素材です。酢酸セルロース真球微粒子BELLOCEA™は、微粒子としての柔らかさ、滑らかさを引き出し、ファンデーションなどのメイクアップ製品やスキンケア製品に、しっとり感やさらさら感を与えます。また、肌に均一に伸び、優しく快適な使い心地が得られます。

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水溶性高分子
増粘性、接着性、分散性、賦型性、保水性などを付与する添加剤として幅広い用途で使われています。水溶性高分子の一つであるカルボキシメチルセルロース(CMC)は、環境や人体への高い安全性からパップ剤や練歯磨などの医薬品、パーソナルケア用品に採用されているほか、リチウムイオン二次電池(LIB)の電極にも採用されています。
セラミド
セラミドは肌の一番外側の表皮にあり、肌の水分保持と外的刺激からのバリアの機能を担い、より深い部分にあるコラーゲン・ヒアルロン酸とともに肌の健康に欠かせない成分です。当社はこんにゃく芋からセラミドを抽出する製法特許を持っています。
セルロイド
セルロイドは、アメリカのハイヤットによって発明されたとされる歴史上初の合成プラスチックで、わが国においては当社の前身である堺セルロイド(株)、日本セルロイド人造絹糸(株)によって国産化されました。火薬の原料にもなる硝酸セルロースを原料として用いるセルロイドは、非常に燃えやすいという特徴があるため、当社は不燃化を目指して酢酸セルロースを事業化し、それを原料とするアセテートプラスチック(アセチ®)を製造販売しています。一方で、硝酸セルロースから無煙火薬の製造、ロケット推進薬、パイロット緊急脱出装置へと事業発展した過程で蓄積した火薬工学技術を用いて、自動車エアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)を事業化し、現在では当社のコア事業のひとつに成長しています。

た行

ダイセル式生産革新

化学などプロセス型産業のプラントでは、配管や反応器の中にある製造工程中のモノを実際に見ることができないため、製造現場のオペレータ(現場作業者)は、様々なセンサー情報と自らのノウハウを基に工程中の状況を推測し、日々の現場管理を行うのが一般的です。生産革新とは、生産活動におけるこの「人」の役割に着目した生産性向上、競争力強化のアプローチのことで、当社は1990年代半ばからダイセル式生産革新を推進し、オペレータのノウハウのミエル化、標準化、システム化に段階的に取り組み、人の生産性3倍、作業負荷1/10を実現しました。近年には組立加工型生産の改革にも着手し、AI・IoTの実践活用を通じたさらなる生産性向上、競争力強化に取り組んでいます。

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2020年には、この「ダイセル式生産革新手法」で構築した「知的統合生産システム」を、東京大学と共同開発したAIを搭載する2種類のアプリケーション(PCM(最適運転条件導出システム)、APS(高度予知予測システム))によって進化させた「自律型生産システム」を開発しました。これにより、製造コストの大幅な削減の実現だけでなく、当社外を含めたサプライチェーン全体を包括する「バーチャルカンパニー(※)」の構築を加速させます。
(※)市場を終点として連なるサプライチェーンを仮想的な一つの会社ととらえ、そのサプライチェーンごとに製品の調達、生産、販売といった機能や設備を保有しているとみなし、管理・経営する考え方です。

「自律型生産システム」の詳しい情報はこちら 詳しくはこちら

電流遮断器
今後ますます普及が見込まれる電気自動車には高電圧のバッテリーが搭載されており、交通事故や故障時での感電防止や二次災害対策が課題となっています。電流遮断器は火薬の力で安全かつ瞬時に高電圧・大電流を遮断することが可能で、この課題へのソリューションを提供できます。また、電気自動車だけでなく、AIやロボットの普及などにより自動化が進む様々な産業への展開が期待されています。

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トリアセチルセルロース(TAC)
トリアセチルセルロース(TAC)は、アセチル基が3つ付いてる酢酸セルロースで、もともとは写真フィルムのベース素材として用いられていましたが、現在は光学フィルム用途が主な用途で、液晶テレビ、ノートパソコン、携帯電話などの液晶ディスプレイの偏光板保護フィルムなどに使われています。

な行

ナノダイヤモンド DINNOVARE®
ナノダイヤモンドとは、爆薬を原料として爆轟法により得られる4~6nmサイズのナノカーボン材料で、カーボンナノチューブ、グラフェン、ナノシリカ等のナノ粒子にはないユニークな特性を数多く有しています。様々な材料と複合したり、製品や用途へ適用することで、新たな機能価値を創造できる可能性を秘めています。
※爆轟とは、爆速(爆発が伝わる速度)が音速を超えるものを言います。

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は行

賦形剤
賦形剤とは、医薬品の取扱性向上などのために用いられる副原料(添加剤)のことで、有効成分の保存安定性向上や溶出にも寄与します。当社は、ますます高齢化が進む社会への一つのソリューションとして、さらに「飲みやすさ」という価値にも注目して、唾液のわずかな水分で速やかに崩れるOD錠用の速崩壊性賦形剤を開発し、お客様である製薬企業やサプリメントメーカーへ提供しています。

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β-クリプトキサンチン
カロテノイドの一種で、うんしゅうみかんに多く含まれていて、生活習慣病などに対する様々な健康機能や美肌作用を期待されています。ダイセルはうんしゅうみかんを酵素処理することによる効率的な製造方法を開発し、高濃度化しています。
ポリアセタール(DURACON® POM)
DURACON® POMは、自己潤滑性、耐油性とバランスの取れた機械的性質を持ち、それまで金属製だった歯車やねじ、軸受けといった機械要素部品の代替から市場展開がはじまりました。今では、ファスナーやバックル、ボールペンなどの身近な生活用品、自動車のドアロック、シートベルトロック機構などの重要安全部品、フューエルポンプモジュールなどの燃料系部品に幅広く使用されています。
ポリエチレンテレフタレート(RENATUS® PET)
RENATUS® はPET樹脂をベース原料としています。PET樹脂は食品用の容器やフリースなどの合成繊維など広範囲の用途で使用されており、耐熱性や耐寒性、機械的強度、表面装飾性に優れた特性を持っています。RENATUS®は、このPET樹脂にガラス繊維を強化材として配合し、機械的強度と耐熱性を飛躍的に高めた射出成形用材料です。その用途はアイロン、電子レンジ、炊飯器といった身近な家電製品から自動車の電装部品や外装部品など長期耐久性を要求される製品にも採用されています。
ポリフェニレンサルファイド(DURAFIDE® PPS)
DURAFIDE® PPSは、架橋を伴わない直鎖状の分子構造をもつリニア型のPPS樹脂で、従来の架橋型の大きな欠点であったもろさを改善しています。また、PPS樹脂の長所とされる耐熱性、難燃性、耐薬品性に加え、イオン性不純物が少ないといった利点もあります。自動車分野では、センサーやコネクターなどの電装品から、ハイブリッド/電気自動車用のモーター部品、パワーモジュール部品などに使われています。また、はんだ耐熱性を生かしたエレクトロニクス関連、優れた耐熱水性から住宅関連部品など、その用途は大きく広がっています。
ポリブチレンテレフタレート(DURANEX® PBT)
DURANEX® PBTは、耐熱性と優れた電気特性をあわせもつことが特長です。さまざまな種類の強化材・添加剤と相性がよく、市場のニーズにより、いろいろな特性を付与することが可能なため、多種多様なグレードラインナップを展開しています。自動車のワイヤーハーネス用コネクターや各種電子部品から、押出用途としては化粧ブラシや紙ラミネート食品容器などへも採用され、幅広く役立っています。

ま行

メンブレン製品
グループ企業のダイセン・メンブレン・システムズ(株)が、メンブレン(分離膜)を使用した高度な水処理システムを開発し、排水の再利用や環境負荷物質の低減などによる環境改善に貢献しています。人工透析用の精製水システムや下水再利用システムなど幅広い分野の水処理をカバーしています。

や行

有機半導体
有機半導体は、一般的に普及しているシリコン(無機)半導体とは違い、フレキシブルで折り曲げることが可能です。また、シリコン半導体よりも消費電力を小さくすることができ、IoTセンサーやディスプレイ領域などでの需要拡大が期待されています。グループ企業のパイクリスタル(株)は、この有機半導体を高性能化する先進的な成膜技術を核として、有機半導体デバイスなどを開発・製造・販売しています。
有機溶剤
有機溶剤とは他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称で、様々な工業製品の製造や塗装、洗浄、接着などに幅広く使用されています。当社は、汎用溶剤から高い技術が必要とされる半導体製造に特化した特殊溶剤やプリンテッドエレクトロニクス用溶剤まで幅広い有機溶剤を展開しています。

ら行

ラクトビオン酸
乳糖から作られる機能性糖質で「カスピ海ヨーグルト」に含まれていて、カルシウムなどミネラルの吸収促進やエクオールの産生促進作用を持っています。独立行政法人大阪産業技術研究所と開発した酢酸菌を用いた効率的な発酵製造プロセスを使用しています。
レジスト材料
IoTの進展に伴い需要が拡大していく半導体などの製造工程に使用され、パソコンやスマートフォン、テレビなどの既存機器のほか多種多様な電子デバイスの製造に必要不可欠な材料として使用されています。

1,3-ブタンジオール(1,3-BG)
保湿成分としての化粧品原料が主な用途で、無臭グレードを有していることが当社の特長です。