DAICEL at a glance

ダイセルとは

セルロイドは世界で初めて工業化されたプラスチックで、1900年代から日本でも原料生地の国産化が始まりました。しかし、その後の需要増加で、国内のセルロイドメーカーが乱立し過当競争や品質低下、原料となる樟脳の乱伐等を招きました。この状況を憂慮したセルロイドメーカー8社が業界再編を図り、1919年に8社合併により誕生したのが、大日本セルロイド株式会社、今日のダイセルです。ダイセルは、時代のニーズに合わせた製品の研究開発を続け、今日の主力製品である酢酸セルロースやエンジニアリングプラスチックなどのさまざまな製品を提供しています。さらに、ダイセル式生産革新をはじめ、化学プラントにおける生産技術の革新に取り組んできました。

現在は世界14か国・地域に70社、連結従業員数は約1万人規模で事業を展開しています。

当時のセルロイドメーカー8社が手を組み社会を豊かにしたように、ダイセルはお客様やパートナーと共に持続可能な社会づくりに貢献し、“価値共創によって人々を幸せにする会社”という変わらぬ志を胸に、化学の力で未来を豊かに変えていきます。

  • 2026年3月末時点
  • 成立

    1919

    当時のセルロイドメーカー
    8社が合併

  • 集团公司数目

    70家集团公司

    14の国・地域に展開
    (2026年3月末時点)

  • 集团员工人数

    11,034

  • 連結売上高

    5,796億円

    (2025/4/1~2026/3/31)

  • 連結営業利益

    421億円

    (2025/4/1~2026/3/31)

ダイセルの3つの強み

バイオマス化学のパイオニア

1919年の設立以来、ダイセルは常に植物由来の原料から化学品を作るバイオマス化学に取り組んできました。クスノキからとれる樟脳(しょうのう)を原料としたセルロイド事業を祖業とし、その易燃性を克服した酢酸セルロースは今でも主力製品の一つです。1970年代のオイルショック後には、脱石油を掲げたC1化学という国家プロジェクトにおいて、いち早く石油に頼らない原料転換に取り組みました。今、地球環境を含む社会のサステナビリティを守るため、改めて植物由来化学が注目を集めています。ダイセルは再生可能な資源を元に、人々の暮らしと地球の豊かさに貢献する製品を創っています。

創業以来培ったユニークな技術

ダイセルのユニークな技術 1.アセチルチェーン 2.セルロース 3.ONE TIME ENERGY 4.エンジニアリングプラスチック
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    アセチルチェーン

    アセチルチェーンを築いた技術

    当社は国内唯一の酢酸メーカーであり、酢酸からアセチルケミカルや酢酸セルロースなど酢酸誘導体を製造する一連の特徴あるアセチルチェーンを築き上げ、世界的にも強いポジションで事業を展開しています。

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    セルロース

    天然素材であるセルロースの物性コントロール技術

    創業時から長年蓄積したセルロースに関する知見や技術を活かしアセテート繊維やフィルター原料、液晶パネル用フィルム原料、化粧品原料など酢酸セルロースを中心に高機能な製品を幅広い分野に展開しています。

    醋酸纤维素
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    ONE TIME ENERGY®

    長年蓄積した技術を新分野へも展開

    自動車エアバッグ用インフレータの事業化以来、ガス発生剤から一貫生産を続け、自動車の安全に貢献してきました。インフレータ製造で培った技術を「安全、確実、瞬時に、一度だけ最適なエネルギーを生み出す、ONE TIME ENERGY®」と定義し、この技術の幅広い分野での応用に取り組んでいます。

    ONE TIME ENERGY®
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    エンジニアリングプラスチック

    幅広い製品ラインナップと技術ソリューション力

    高い世界シェアを持つエンジニアリングプラスチックに加え、汎用樹脂からスーパーエンジニアリングプラスチックまで幅広いバリエーションの製品ラインナップを持つのが当社の強みです。また、グローバルにテクニカルソリューションセンターを構え、培ったノウハウやデータを駆使し、顧客への技術ソリューションを提供しています。

ダイセル式生産革新による生産効率の追求

当社の化学メーカーとしてのモノづくりの基盤を支えるのがダイセル式生産革新です。熟練オペレータが持つ約840万の工場運転に関するノウハウを可視化し、運転支援システムに落とし込むことで、生産効率を約3倍に向上させました。さらに2020年には、これにAIを用いて進化させた「自律型生産システム」を開発しました。安全・品質はもちろん、エネルギー使用の最適化でCO2排出量の削減にも寄与するほか、設備の変調を事前に予測しトラブルを防ぎ、究極の生産効率を追求します。国内グループ会社の工場へ導入を進め、作業負荷低減によって捻出した時間をより創造的な仕事に使うことでモノづくりの競争力を高めます。

  • ダイセル網干工場での実績

連結売上高・営業利益

2026年3月期 連結売上高

5,796億円

2026年3月期 連結営業利益

421億円

セグメント

ダイセルは5つのセグメントで事業を展開しています。

連結売上高構成比 ハイパフォーマンスポリマーズ38.2%、マテリアル33.8%、セイフティ18.0%、スマート6.5%、ライフサイエンス3.2%、その他0.3% 2026年3月期実績
High Performance Polymers事业

エンジニアリングプラスチックのパイオニアとして培った技術力で、幅広い産業に高機能で付加価値の高いソリューションを提供

主要な製品・サービス
ポリアセタール(POM)、ポリブチレン・テレフタレート(PBT)、ポリフェニレン・サルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、
環状オレフィン・コポリマー(COC)
材料事业

アセチルチェーンを主軸とした多彩な製品群、ユニークな製法を強みに幅広い産業に価値を提供

主要な事業 主要な製品・サービス
アセチル アセテート・トウ、液晶保護フィルム用酢酸セルロース(TAC)、
酢酸セルロース、生分解性酢酸セルロース(CAFBLO®
ケミカル 酢酸、無水酢酸、酢酸エチル、1,3-BG、ポリグリセリン、
酢酸セルロース真球微粒子(BELLOCEA®)、水溶性高分子(CMC)、AS樹脂
安全事业

高いグローバルシェアを誇るエアバッグ用インフレータ事業で培ったONE TIME ENERGY®の技術で、幅広い産業に安全・安心を提供

主要な製品・サービス
自動車エアバッグ用インフレータ、電流遮断器、シートベルトプリテンショナー用ガス発生器(PGG)
智能事业

人々の暮らしの快適さや技術革新を支える電子材料市場に新たなソリューションを提供

主要な事業 主要な製品・サービス
半導体材料 フォトレジスト材料、電子材料向け溶剤
高機能材料 脂環式エポキシ、カプロラクトン誘導体、機能フィルム
生命科学事业

QOLが重視される社会に、安全で高品質なヘルスケア素材や医薬品開発に関わるソリューションを提供

主要な製品・サービス
クロマトグラフィー用カラム・充填剤(キラル・アキラル)、受託分取・分析等各種サービス、動物実験用デバイス(アクトランザ®ラボ)、医療機器(ダイセルインジェクター)、機能性食品素材(フラボセル®(機能性成分:エクオール)、ウロリッチ®(ウロリチンA)、アストロホップ®(8-プレニルナリンゲニン)など)、分離膜、分離膜モジュール、 透析用水作製装置(MOLSEP®
  • QOL:Quality of Lifeの略。物質的な豊かさだけでなく、精神面も含めた生活の質

ダイセルのあゆみとこれから

1919年の設立以来、ダイセルには、時代と共に変容する社会のニーズに応え、サスティナビリティに貢献する製品を開発・提供することで、発展を遂げてきたという歴史があります。

また、将来に向けては、2020年度にサステナブル経営方針を軸とした第4次長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』を策定しました。さらに2025年度からは、その実現に向けた具体的な成長戦略として中長期戦略『Accelerate 2030』を始動し、事業ポートフォリオの変革や新たな価値創出を加速しています。
ダイセルグループはこれからも企業価値向上と循環型社会構築に貢献していきます。

セルロース事業、有機合成事業の誕生

当社は1919年にセルロイド会社8社が合併して設立されました。当初からセルロイドの不燃化に取り組み、アセテート・プラスチックを開発。1935年に新井工場を新設し、1938年には原料となる酢酸セルロースを酢酸から一貫生産する体制を整え、セルロース事業、有機合成事業の礎を築きました。

生活の豊かさの向上 セルロイド

プラスチックの草分け的存在として国内化学産業の発展に貢献

安全の確保 酢酸セルロース

1938年
硝酸セルロースの易燃性という大きな課題に対し、酢酸セルロースを事業化
セルロース事業の本格化と火工品事業のスタート

1950年に網干工場でアセテート・プラスチックの生産が本格化、1953年には富士写真フイルム株式会社と研究を重ね三酢酸セルロース(TAC)の製造を開始し、1958年に堺工場でたばこフィルター用のアセテート・トウの製造を開始するなど、セルロース事業を拡充させました。また、硝酸セルロースが火薬の原料になることから火工品事業が発展し、1954年に播磨工場を設立しました。

  • 現 富士フイルム株式会社

映画・写真フィルムの不燃化・高機能化 三酢酸セルロース(TAC)

1953年
TACの生産を開始。後の2000年代に光学フィルム用途としても大きく成長
石油化学事業への参入

1960年代には日本初の石油化学コンビナートに参画、大竹工場を設立し石油化学事業をスタートさせました。合成樹脂事業においては、AS樹脂・ABS樹脂の製造開始に加え、米国企業と合弁でポリプラスチックス株式会社を設立しエンジニアリングプラスチック事業に着手しました。

  • 2020年度にダイセル完全子会社化

金属代替への挑戦 ポリアセタール(POM)

1964年
エンジニアリングプラスチックの製造開始。自動車など様々な製品の金属代替により、部品の軽量化、環境負荷低減に貢献
酢酸事業の基盤強化

構造不況への対応と基盤事業強化を目的に、当時の最新技術であった、メタノール法酢酸を事業化することで、石油に依存しない原料への転換に取り組み、C1化学への参入を果たし、酢酸業界の再編を実現しました。

  • 1970年代のオイルショック時に脱石油を掲げたC1化学(シー・ワン・ケミストリー)という国家プロジェクト

酢酸業界の再編 メタノール法酢酸

1980年
事業の根幹となる酢酸の製法としてメタノール法を導入、酢酸業界の再編に尽力
各事業の海外への積極展開

1980年代は、欧州・米国・アジアに現地法人を設立。1988年に自動車エアバッグ用インフレータ製造子会社を設立。1990年に光学異性体分離事業の拠点を米国に設立し、 1992年には中国の合弁会社でアセテート・トウの生産を開始しました。

安全な医薬品の提供 キラルカラム

1982年
副作用につながる物質を分離するキラルカラム製造開始

安全・安心の提供 自動車エアバッグ用インフレータ

1988年
自動車エアバッグシステムのキーパーツを供給し、衝突事故時の乗員の安全確保に貢献
インフレータやTAC事業の拡大とダイセル式生産革新の横展開

インフレータ事業では、世界6カ国に拠点を展開しました。また、映画などのフィルム原料であったTACを光学フィルム用途へ展開するなどディスプレイ事業も拡大しました。技術面では、網干工場で確立したダイセル式生産革新の全社展開を進めるとともに、プロセス・イノベーションを加速、2017年には研究開発と生産技術の機能を集約し、イノベーション・パークをオープンしました。

生産性の向上 ダイセル生産革新

2000年
ダイセル式生産革新を網干工場にて確立し、他拠点にも横展開することで生産効率を大きく改善
自律型生産システムの展開

DXの進展を背景に、ダイセルは2020年、モノづくりの基盤となる考え方「ダイセル式生産革新」を独自のAI技術で高度化し、自律型生産システムを構築しました。本システムは、熟練オペレータの知見から抽出した840万件以上のノウハウに加え、約20年にわたり蓄積した生産運転データやリアルタイムデータ、化学工学の原理原則を統合的に演算します。これにより、安全・品質・コスト・納期の最適なバランスを追求し、生産基盤の高度化を推進しています。

人の創造的業務へのシフトに貢献 自律型生産システム

2020年
自律型生産システムを開発し、網干工場から実装を開始。化学プラントにおける生産最適化を通じて、オペレータが人にしかできない創造的な仕事へ注力できる環境の実現に寄与
成長事業の積極展開 新規事業の強化

さらなるシナジー創出を目的として、2020年に完全子会社化したポリプラスチックスを2026年にダイセルへ統合し、事業の一体化を実施しました。成長を牽引するエンジニアリングプラスチック事業のさらなる強化を通じて、企業価値の向上に取り組んでいます。

また、インフレータ技術で培った技術を医療用途へ展開する取り組みとして、2023年に株式会社ダイセルメディカルを設立しました。2025年には、ダイセルインジェクターの医療機器製造販売承認を日本で取得し、医療分野における事業展開を本格化させています。

医療での安全への貢献と革新 ダイセルインジェクター

2025年
ガス式針なし医薬品・ワクチン用注入器「ダイセルインジェクターP1 SC」の医療機器製造販売承認を日本で取得