健康のため「腸内環境を整える」や「腸活」といった言葉に表されるように、健康と腸の関係が注目されているなか、当社はプロバイオティクスとプレバイオティクスに因らない第3の方法として、「腸内代謝物」に着目した幅広い研究を行っています。この取り組みについて、Nature Research Custom Media に広告記事で紹介されましたので、ぜひご覧ください。

Nature Research Custom Mediaのページ（英文）：
https://www.nature.com/articles/d42473-020-00552-8

当社は、４０年以上にわたる微生物の取扱いの知見を活かし、腸内で行われる発酵プロセスを工業生産スケールでモデル化することで、エクオールの生産を実現し、エクオール含有素材を販売してきました。
上記の広告記事では、「エクオールの商品化」や、「ウロリチンAの商品化に向けた取り組み」「腸内代謝物への着目」を紹介しています。当社で日本語へ翻訳したものを用意しておりますので、ご希望の場合、以下のお問い合わせ先までお気軽にご連絡ください。

＜本件に関するお問い合わせ先＞
株式会社ダイセル
ヘルスケア SBU 事業推進室 事業戦略グループ
担当：稲井田(いないだ)
TEL：03-6711-8213 　
E-mail：healthcare_info@jp.daicel.com

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＜概要＞

最近の研究により、性別、年齢、食生活、ストレスなどによって腸内細菌叢は変化し、この腸内環境によっては、プロバイオティクスまたはプレバイオティクスに期待する効果が得られない場合があります。
これに対し、腸内代謝物は、腸内細菌叢の影響を受けず、期待効果を発揮する可能性として、有用な方法になると考えています。

皆にエクオールの効果を

腸内細菌によって、大豆イソフラボンから変換された女性ホルモン様機能の高いエクオールの摂取が、更年期の女性に対し諸症状の緩和に有効であると２０１８年に報告されています。

しかし、日本人の30〜60％しか腸内で大豆イソフラボンからエクオールを生産できず、若い女性では、この割合はさらに低く、20〜30％であることが知られています。大豆イソフラボン製品に効果を期待して消費している人が、必ずしも意図した効果を得ることができなかった可能性があると言えます。
当社では、４０年にわたるこれまでの微生物の取扱いの知見を活かし、腸内で行われる発酵プロセスを、工業生産スケールでモデル化することで、エクオール生産を実現し、2014年にエクオール含有素材を発売しました。様々なサプリメントの原料として採用いただいております。

ミトコンドリアを再活性

また、当社ではザクロ、ナッツ、ベリーに含まれるエラグ酸に由来するウロリチンAの販売を計画しています。
このウロリチンAは、マイトファジーを誘発することが示された最初の腸内代謝物として、スイスの研究者によって2016年のネイチャーメディシンで報告されました。同時に、線虫C. elegansにおいて寿命を延ばし、加齢による活動の抑制を防いだこと、マウスでの筋肉機能を改善したことが報告されています。
また、ウロリチンAには、インスリンへの感受性、アルツハイマー病とのそれらの認知機能や腸管バリア機能を改善する可能性が示唆されています。

しかし、エクオールとは異なり、ウロリチンAの生成には、多数の中間体が関与するため、生産には困難がありましたが、2種類の微生物の発見が製造プロセス構築につながり、今、ウロリチンAを含有する製品の品質を評価しています。

また、当社はビールの原料として有名なホップにも注目しています。ホップには、キサントフモールというポリフェノールが含まれていますが、腸内で8-プレニルナリンゲニンに変換されることで、強力な女性ホルモン様活性を示します。当社では、イソキサントフモールを8-プレニルナリンゲニンに変換する微生物の単離にも成功しており、またこの化合物の機能を調査中です。

代謝能に優れた腸内細菌叢を持っている人にとっては、腸内代謝物は不要かもしれませんが、そうでない人には非常に役立つ可能性があると考えられます。
最終的には、プロバイオティクス、プレバイオティクス、腸内代謝物のいずれを摂取するかの選択は、消費者に委ねられるべきですが、当社はその選択肢を広げるオプションを提供いたします。