私たちは、「Proactive IP」をスローガンに掲げ、事業企画、研究開発、知的財産の各機能が連携した横断的な体制のもと、知的財産活動を推進しています。
知的財産を“創出(creating)”し“活用(leveraging)”するとともに、機能横断的に“統合(integrating)”し、外部パートナーとの協働を通じて展開することで、イノベーションを推進し、新たな事業機会の創出につなげています。
これらの取り組みにより、ダイセルグループの競争力を強化するとともに、価値共創を支える中核的な原動力として知的財産を位置付けています。
知的財産に関する基本的な考え方
ダイセルグループは、第三者の知的財産権を尊重するとともに、特許、実用新案、商標、意匠など当社の知的財産を重要な経営資産と位置付け、その適切な取得・保護・維持に取り組んでいます。
知的財産および無形資産への投資
「価値共創によって人々を幸せにする会社」という基本理念のもと、持続的な価値創造を実現するため、知的財産をはじめとする無形資産への投資を積極的に推進しています。
また、社会ニーズの変化に対応し、新たな価値を創出するため、業界の枠を超えた外部パートナーとの協働にも取り組んでいます。
知的財産推進体制
知的財産センターでは、以下の部門から構成される知的財産活動チームを中心に、知的財産を戦略的にマネジメントしています。
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事業・企画部門
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研究開発部門
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知的財産センター
これらのチームは、発明評価、出願判断、権利化、ポートフォリオ管理、活用、ならびに第三者知財リスクへの対応まで、事業ライフサイクル全体にわたり知的財産活動を担っています。
また、知的財産を創出・活用するとともに、外部パートナーとの共創や協働を通じて知的財産を活用することで、新規事業創出、ブランド価値の向上、さらにはグループ全体の事業基盤強化を図っています。これらの取り組みを通じて、中期経営戦略「Accelerate 2030」の実現を支える重要な機能として、知的財産活動を強化していきます。
このように、知的財産は単なる法務機能にとどまらず、経営および事業戦略を支える中核機能として位置付けられています。
知的財産センターのビジョン
知的財産活動チーム
ダイセルおよびダイセルグループにおいては、約35の知的財産活動チームが、各テーマに関する知的財産を一体的にマネジメントしています。
これらのチームは、発明評価、出願・秘匿判断、権利化、維持管理、知財活用、他社特許の分析・回避、特許紛争対応など、知的財産のライフサイクル全体にわたる業務を担っています。
特許検討の業務プロセス化
当社では、独自システムPACS(Patent Analysis and Confirmation System)を活用し、特許の解析・確認を事業プロセスに組み込んでいます。
本システムにより、新規事業や製品開発の各段階において特許分析およびクリアランスを徹底し、第三者知的財産権の侵害防止を図るとともに、ダイセルグループ成長の原動力となる新技術の展開を効率的かつ確実に推進しています。
「Proactive IP」による事業競争力の強化
知的財産センターは、従来の出願・権利化中心の活動にとどまらず、グローバルかつ将来志向の視点に立ち、知的財産を積極的に活用しています。
これにより、競争優位性の確保、コア技術の獲得、新規事業創出の加速を実現し、「攻め」の知的財産活動を展開しています。
特に新規事業創出においては、知的財産情報および市場情報などの多様なデータを統合・可視化したIPランドスケープ分析を実施し、事業創出における重要プロセスや中核技術を分析・予測しています。
これらの分析結果に基づき、経営資源の重点投資領域を特定し、有望な新規事業機会の選定や新たなビジネスモデルの構築につなげることで、イノベーションを加速しています。
IPランドスケープ(経営・事業・研究の羅針盤)
当社では、IPランドスケープを「経営・事業・研究の羅針盤」と位置付け、その活用を推進しています。
特許情報に加え、技術動向、学術情報、市場データ、競合情報などを統合的に分析することで、事業環境を多角的に把握し、意思決定の高度化および成長機会・リスクの特定を支援しています。
また、IPランドスケープは新規事業機会の探索や経営判断の高度化に活用されており、環境、ヘルスケア、高機能材料といった重点領域における競争力強化にも貢献しています。
これらの活動を通じて、当社の将来を切り拓く取り組みを継続的に推進しています。
人財育成
知的財産機能の強化に向け、知的財産センターと人事部門が連携し、体系的な人財育成を推進しています。
主な取り組みは以下の通りです。
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階層別研修の実施
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知財全般に関するeラーニングの提供
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技術系人財の知財リテラシー向上に向けた資格取得支援
これらの取り組みにより、知的財産を競争優位の源泉と捉える企業文化の醸成を図っています。
活動実績
WIPO GREENへの参画
ダイセルグループは、国際連合の専門機関である世界知的所有権機関(WIPO)が運営する環境技術のグローバルプラットフォーム「WIPO GREEN」において、自社の環境関連技術を登録し、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を目指しています。
2020年4月よりパートナーとして参画し、知的財産の活用を通じた環境課題の解決に向けた国際的な取り組みを推進しています。
また、当社の取り組みは特許庁ウェブサイトにも紹介されています。
標準規格化における知的財産の活用
コマツNTC株式会社と共同開発したディスプレイのぎらつき※測定手法は、2019年12月、日本産業規格(JIS C 1006)として制定されました。
本技術は、「ギラツキ評価装置およびギラツキ評価方法」(特許第6294904号)として特許化されており、合理的かつ非差別的な条件による実施許諾(RAND条件)を表明しています。
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※防眩加工されたディスプレイ表面の凹凸構造がディスプレイから出る光を拡散させて、画面がちらついて見える現象。
受賞歴
知財功労賞
2018年、経済産業省特許庁が主催する、我が国の知的財産権制度の発展等に貢献した個人及び企業等を表彰する「知財功労賞」において、特許庁長官表彰を受賞しました。
受賞の理由として、①事業部門・研究開発部門・知財部門が連携して活動していること、②産学連携で事業化した医薬品開発用の光学分割デバイス(キラル分離)が、知財活用によりビジネスシェアトップであること、③「ダイセル式」と呼ばれる「知的統合生産システム」のライセンシングを通じ、国内産業の生産性向上、国際競争力強化に貢献していること、が評価されました。
日本知財学会産業功労賞
2018年、一般社団法人日本知財学会が主催する、知財活動において顕著な業績があった法人を表彰する「第15回 産業功労賞」を受賞しました。
受賞の理由として、事業部門・研究開発部門・知財部門が連携して活動していることと、このモデルを産業界に提唱していることが挙げられました。とりわけ、当社のモデルが会社の規模を問わず適用可能で、産学連携においても応用できる可能性があることが高く評価されました。
地方発明表彰
公益社団法人発明協会が主催する「地方発明表彰」を2017年より継続して受賞しています。
関連リリース
- 特許庁長官と意見交換を行いました(特許庁とダイセルの「トップ懇」)(2025年6月25日)
- 「電子タバコチップ用のトウバンド」が令和5年度中国地方発明表彰「発明奨励賞」を受賞(2023年12月25日)
- 「パッドを書いて覚える学習機器にする透明積層フィルム」が令和5年度近畿地方発明表彰「発明奨励賞」を受賞(2023年12月25日)
- BELLOCEA®とDLAMP®の特許が「WIPO GREEN」に登録(2024年2月13日)
- 「位相差フィルム用セルロースジアセテート」が令和4年度中国地方発明表彰「発明奨励賞」を受賞(2022年11月21日)
- 特許庁長官と意見交換を行いました(特許庁とダイセルの「トップ懇」)(2022年11月15日)
- 特許庁長官と意見交換を行いました(特許庁とダイセルの「トップ懇」)(2022年1月11日)
- 「TACフィルムの製造作業環境の改善」が令和3年度中国地方発明表彰「発明奨励賞」を受賞(2021年10月12日)
- 特許権侵害差止請求控訴判決確定(勝訴確定)に関するお知らせ(2021年7月1日)
- 「フランジ締結技能判定装置」(D-BOLVIS®)で 近畿地方発明表彰・発明奨励賞を受賞(2020年11月5日)
- 「生分解可能なセルロースアセテート粒子と化粧品」で中国地方発明表彰「日本弁理士会会長賞」を受賞(2020年10月12日)
関連リンク
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技術情報協会発行書籍:「IP ランドスケープの取り組み事例と実施体制の構築」 「第2章 第1節 ダイセルにおける知財体制とIP ランドスケープの実践」(発刊日:2025年11月28日)
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技術情報協会発行書籍:「適正な知財コストの考え方と権利化、維持、放棄の決め方」 「第5節 ダイセルの知財体制と知財コスト最適化の考え方,取り組み」 (発刊日:2024年5月31日)
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株式会社And Tech発行書籍:「GX時代の環境経営を牽引する知財戦略~研究開発との連携、環境配慮型材料・製品の知財保護、知財人材の育成~」 「第5節 ダイセルにおける研究開発と知的財産活動との連携」(発行日:2023年11月30日)
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技術情報協会発行書籍:研究開発部門と他部門の壁の壊し方、協力体制の築き方 「ダイセルにおける知財活動体制構築と進め方」 (発刊日:2022年8月31日)
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技術情報協会発行書籍:費用対効果に基づく外国特許出願国の選び方・進め方 「外国出願に向けた攻めと守りの知財マネジメント」 (発刊日:2022年7月29日)
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日本知的財産協会 季刊じぱ Vol.22 2022 SUMMER わが社のこだわり [株式会社ダイセル] (発行日:2022年7月)
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技術情報協会発行書籍:経営・事業戦略に貢献する知財価値評価と効果的な活用法 「ダイセルにおける特許群管理とパテントポートフォリオマネジメント」 (発刊日:2021年3月31日)
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特許庁Webサイト 「経営戦略に資する知財情報分析・活用に関する調査研究」
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※IPランドスケープを実践している国内企業として、ヒアリング調査に協力しました。
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株式会社ユーザベース H2H(Home to Home)セミナー 「IPランドスケープが変える、「攻め」の経営 ~技術・知財戦略に期待する、ダイセル新中期経営計画の真意~」[PDF:1.57MB]
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日本弁理士会関西会Webサイト 「ちざい げんき きんき」事例紹介