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水溶性酢酸セルロースによる腸内細菌を介した抗肥満作用の発見 -酢酸と腸内細菌代謝を介した糖質吸収抑制効果に関する理化学研究所との共同研究成果-

株式会社ダイセル(本社:大阪市北区、代表取締役社長 榊 康裕)と国立研究開発法人理化学研究所(本社:埼玉県和光市、理事長 五神 真、以下、理研)の共同研究グループは、消化管内で酢酸を特異的に増加させるセルロース試料である水溶性酢酸セルロース(WSCA)が腸内細菌に作用することで消化管からの糖質吸収を抑え、肥満を改善することを明らかにしました。 本研究成果は、プレバイオティクス[1]に基づく食品を介した肥満予防に貢献するものと期待されます。

本研究は、科学雑誌『Cell Metabolism』オンライン版(2025年5月16日付:日本時間 同5月17日)に掲載されました。

論文情報

タイトル
Acetylated Cellulose Suppresses Body Mass Gain through Gut Commensals Consuming Host-Accessible Carbohydrates
著者名
Tadashi Takeuchi, Eiji Miyauchi, Yumiko Nakanishi, Yusuke Ito, Tamotsu Kato, Katsuki Yaguchi, Masami Kawasumi, Naoko Tachibana, Ayumi Ito, Shu Shimamoto, Akinobu Matsuyama, Nobuo Sasaki, Ikuo Kimura, Hiroshi Ohno
雑誌
Cell Metabolism
DOI
10.1016/j.cmet.2025.04.013

今後の展望

本研究では水溶性酢酸セルロース(WSCA)によって消化管内で増加した酢酸が腸内細菌の糖代謝機能を変化させ、結果として消化管からの糖質吸収を低下させることで体重抑制効果をもたらす可能性を示しました。WSCAは短鎖脂肪酸の一種である酢酸を効果的に消化管に届けることが可能な新規プレバイオティクスとして、投薬に比べて安価で手軽であることから、食品分野への応用も期待できます。
従来の食物繊維素材に比べてより安定的な効果が見込まれ、今後、実用化を目指して安全性とヒトにおける抗肥満作用の検証が望まれます。

当社では、腸内細菌代謝を通じた人々の健康増進にWSCAを応用できるよう、今後もさらなる研究を進め、人々のヘルスケア向上に役立つ製品開発に努めてまいります。

用語の補足説明

[1] プレバイオティクス
消化管内で特定の腸内細菌に働きかけることでヒトに有益な効果をもたらす食品成分。食物繊維やオリゴ糖などを含む。

[2] 単純糖質
宿主が吸収可能な単糖や二糖を指す。主にブドウ糖、ショ糖、麦芽糖などを含む。単純糖質は、より複雑な複合糖質がヒト由来の酵素、もしくは腸内細菌由来の酵素により分解されて生成される。複合糖質はヒト体内に吸収されない一方、単純糖質は吸収可能なため、ヒトの代謝生理に影響を与えると考えられている。

本件に関し、理化学研究所、日本医療研究開発機構と共同でのリリースを発信しております。
研究内容の詳細は、以下をご参照ください。
新規プレバイオティクスによる抗肥満作用の発見 | 理化学研究所別ウィンドウで開く

当社の水溶性酢酸セルロース(WSCA)と腸内細菌代謝に関する研究の過去のリリース

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