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自動車安全技術を応用した「ウェアラブルエアバッグ」で新規事業を本格始動

2026年5月から広島大学病院と転倒骨折リスク低減に向けた共同研究を開始

株式会社ダイセル

株式会社ダイセル(本社:大阪市北区、代表取締役社長:榊 康裕)は、長期ビジョンで注力市場として掲げている「安全・安心」の領域において、高齢化社会の進行に伴う「シニアの転倒骨折リスク」という重大課題の解決に向けた新規事業を本格始動します。

当社は、新規事業立ち上げのためのオープンイノベーションを推進しており、約40年にわたって培ってきた自動車安全部品であるインフレータの設計技術を土台として、国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究により、またソニーグループ株式会社のSony Acceleration Platformが提供するイノベーション創出支援サービスを活用し、高齢者の転倒衝撃を瞬時に緩和する「ウェアラブルエアバッグ」を開発いたしました。

2026年5月から、国立大学法人広島大学(以下 広島大学)との共同研究を開始し、同大学病院の主導により製品の安全性、装着状況、受容性を検証する臨床研究など実用化に向けた取り組みを加速してまいります。

開発の背景:自動車安全技術を「日常生活の安全」へ

「日常のリスクをみつけだし、安心して暮らせる毎日を支える。」の実現に向けて

当社は40年近く、「自動車の乗員や歩行者保護」をミッションとして、火工品技術を土台とした自動車エアバッグ用インフレータを世界中の主要な自動車メーカーに提供してまいりました。エアバッグが作動する原理は、衝突を感知するセンサーと、その信号を受けて数ミリ秒でエアバッグを作動させるインフレータ、および風船のように膨らむエアバッグで構成されています。もし「インフレータ」がなかったら、瞬時に安全に確実にエアバッグを開くことはできません。乗員の安全のためダイセルの高い技術が「インフレータ」に活かされています。

この「安全・安心」の価値提供をモビリティ領域に限定せず、幅広い分野へ広げていくことを掲げ、「日常のリスクをみつけだし、安心して暮らせる毎日を支える。」ことの実現を目指しています。高齢化社会の課題に向き合う中で、シニアの転倒骨折によって「寝たきり」や「要介護状態」になることはご本人やご家族にとって極めて重大な課題であると認識しています。長年培ってきた衝撃保護技術をこの課題解決に活用することで、シニアの日常生活の安全に貢献してまいります。

オープンイノベーションによる「ウェアラブルエアバッグ」開発

本製品の開発にあたっては、当社のインフレータ技術を核としつつ、異業種との連携によるオープンイノベーションを推進いたしました。これまでは衝撃保護を中核技術として社会課題の解決を図ってきましたが、さらに転倒検知アルゴリズムやエアバッグの設計技術を社外連携により確立し、利用者のみなさまの生活を豊かにするシステムの構築に取り組んでいます。

・国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究:セルフケア実装研究センター 生体・運動機能研究チーム(研究チーム長:藤本 雅大)の転倒メカニズムに関する科学的知見とヒトの身体動作の計測・評価技術に基づく技術開発支援により、転倒の検知に用いるセンシング項目および判定ロジックを設計し、転倒発生を瞬時にかつ高い精度で検知するアルゴリズムを確立しました。

・Sony Acceleration Platformによるイノベーション創出支援:新規事業創出に向けた事業開発支援に加え、技術開発支援を受けることで、製品コンセプトの具現化と事業化プロセスを確立しました。

・多角的な共創体制:複数の医療施設、介護施設、専門家の協力を得て現場目線での課題把握、適切なソリューション提案、改善を継続的に実施しました。またアプリケーション実装や服飾部の製作に対しても多くの企業の支援にて製品を開発しました。

オープンイノベーションを通じた多角的な共創により、高齢者の転倒骨折リスクを低減する「負担の少ないベスト」という商品コンセプトを具現化。「快適な装着体験を磨き、さりげない安心を提供する。」ことを本事業のミッションとして掲げています。今回の共創を通じて、日常生活の動作を妨げない「ウェアラブルエアバッグとしての装着性」と、万一の転倒時に衝撃を和らげる「確かな技術力」の両立を実現しました。

         ウェアラブルエアバッグ コンセプトビジュアル / Mission

広島大学病院における臨床研究と今後の展望

本製品の社会実装を加速させるため、2026年5月から広島大学病院主導の臨床研究を実施します。

・検証内容: ウェアラブルエアバッグ(新規ヒッププロテクター)の安全性、装着状況、受容性の確認

今回の臨床研究開始にあたり、広島大学病院 三上教授をはじめ、臨床研究に携わる皆様より多大なるご協力を賜りました。

先行導入医療施設・介護施設における導入モデル構築

本製品は、2026年度中に事業化の目途付けを行うとともに、2027年夏ごろの販売開始を目指しています。当社は、シニアのみなさまが安心して暮らせる毎日を支えるため、医療・介護現場での実用化に向けた取り組みをより一層加速させ、転倒骨折という社会課題の解決に貢献してまいります。

株式会社ダイセル

執行役員 セイフティSBU担当 両保 栄一コメント

「セイフティSBUは暮らしの安全・安心をデザインすべく、エアバッグ用インフレータなどの製品を通じて社会への貢献に努めてまいりました。変化の激しい環境下においてこの取り組みを推進していくためには、既存業務の効率化と新たな価値創出の両立が不可欠です。この度、多くの方のご支援を頂き、社会課題の一つであるシニアの転倒骨折に対して私たちのソリューション"さりげない安心"を提案させていただきます。これにより、これまで以上に暮らしの安全・安心に新たな価値を提供していくことが可能になります。私たちは今後も社会に役立つ製品づくりに挑戦し続けます。」

セイフティSBU長 津熊 宏昌コメント

「セイフティSBUでは、これまで自動車分野を中心に"万一の瞬間に人を守る"技術を磨いてきました。本事業は、その技術を日常生活の中に拡張し、高齢者の方が安心して暮らし続けられる社会の実現に挑戦する取り組みです。医療・介護現場のみなさまと向き合いながら、装着性や受容性を重視した製品開発と実証を重ね、安全に安心して使われ続けるソリューションの社会実装を進めてまいります。」

会社概要

会社名 株式会社ダイセル
代表者名 榊 康裕
本社所在地 大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪タワーB
事業内容 製造業(東証プライム上場)
URL https://www.daicel.com/別ウィンドウで開く

国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)について

日本最大級の公的研究機関です。ミッションは「社会課題解決」と「日本の産業競争力強化」。全国12拠点での幅広い研究と、傘下の株式会社AIST Solutionsと一体で進める社会実装が強みです。「ともに挑む。つぎを創る。」をビジョンに、研究開発の総合力で経済・社会の発展を支えます。2025年4月には、セルフケア実装研究センターを含む7つの実装研究センターを設立。社会課題からバックキャストしたテーマを軸に、課題解決と新たな市場の創出へとつなげていきます。
【公式サイト】 https://www.aist.go.jp/別ウィンドウで開く

Sony Acceleration Platform について

新たな価値を創造し豊かで持続可能な社会を創出することを目的に、 2014年にソニー社内の 新規事業促進プログラムとしてスタート。2018年10月からは社外にもサービス提供を開始しました。2024年からは新規事業支援だけでなく、経営改善、事業開発、組織開発、人材開発、結合促進など、事業開発における幅広い課題をイノベーション創出支援サービスとして提供すると共に、ソリューションの拡充に向け外部パートナーとの連携強化に取り組んでいます。
【公式サイト】 https://sony-acceleration-platform.com/別ウィンドウで開く


<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社ダイセル 
セイフティSBU 事業推進室
TEL: 06-7639-7231 Mail: asuho_support@jp.daicel.com

事業支援本部コーポレートコミュニケーショングループ
TEL: 03-6711-8121 Mail: public_relations2@jp.daicel.com