熱安定剤

ナノサイズでもダイヤモンドの特性はそのままに。300℃を超える温度でも安定した酸化防止機能・耐熱機能・強度保持を発現する熱安定剤。

熱安定剤

超高温域でも安定して発現する酸化防止機能

ナノダイヤは260~400℃の高温域でも機能する酸化防止剤として応用することができます。ナノダイヤの最表面にはsp²炭素と酸素官能基が多数存在します。この表面構造は、一般的に酸化防止剤として広く使用されているヒンダードフェノール系樹脂添加剤と類似した構造であり、ナノダイヤ表面の酸素官能基はラジカル捕捉機能(酸化を防止する機能)があると考えられます。

ナノダイヤモンドコア(中心のダイヤモンド構造)およびナノダイヤ表面に存在する酸素系官能基は耐熱性が極めて高く、300℃を超える高温環境においても安定に存在することが確認されています。ナノダイヤはこの高い熱安定性のおかげで、従来の酸化防止剤では機能発現できなかったエンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチック(PEEK、ポリイミド、ポリアミドイミド等)に対しても酸化防止剤として機能することが期待されます。

一次粒子(4~6nm)の断面図。中心にダイヤモンドコア(sp³)と記載され、その周囲をアモルフェス炭素、sp²”が囲む構造。粒子の表面には酸素系官能基が付加されていることを示す説明図。
ヒンダードフェノールと類似した表面構造を示す化学構造図。多環芳香族構造の各部位に複数のヒドロキシ基(OH)とカルボニル基(C=O)が付加されている。

薄膜高耐熱コートの性能補強

スーパーエンジニアリングプラスチックのポリイミドやポリアミドイミドのように被膜を薄層被覆して機能させる用途においては、バルク特性に比べて耐熱性能が低下する傾向があります。ナノダイヤはこのような耐熱性能低下を補強する材料として使用可能です。

PEEK、ポリイミド、ポリアミドイミドの3種類の樹脂について、異なる温度条件、420℃、450℃、400℃での熱重量分析の結果を示す表。

高温環境での強度保持

高温環境での使用を前提とする樹脂製品の場合、ナノダイヤの添加により高温による熱劣化を抑制することができます。使用雰囲気の温度だけでなく、摺動部品で発生する摩擦熱や、接触する他部品から伝わる熱等による劣化の抑制も期待できます。PEEKでは下記グラフのように、引張強度保持率を向上させる効果を確認しています。

300℃におけるPEEKのヒートエージング時間(0~1500時間)と引張強度保持率(%)の関係を示す散布グラフ。PEEK単体と、ナノダイヤモンド(NDs)を0.5wt%添加したPEEKの2種類のデータが表示されている。NDsを添加した方が、全体的に高い強度保持率を示す。

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