化学品安全

基本的な考え方

当社グループでは「ダイセルグループ レスポンシブル・ケア基本方針」に則り、サプライチェーン全体で製品の安全性とプロダクト・スチュワードシップ※の継続的改善の促進に努めるとともに、開発から製造、物流、使用・消費、廃棄・リサイクルのライフサイクルにわたるリスクベースの化学品管理を実践します。また、化学物質を適正に取り扱うための情報を社内外に発信します。

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    化学品の開発から製造、物流、使用・消費、廃棄・リサイクルに至る全てのライフサイクルに関係するバリューチェーン全体で、人の健康、安全と環境への影響を最小化する取り組みです。

推進体制

当社グループは、レスポンシブル・ケア(以下、RC)委員会を軸とするRC推進体制の下、化学品の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て、廃棄に至る全ての過程において、環境・健康・安全を確保し、その成果を公表し、社会との対話・コミュニケーションを行っています。取り扱う全ての化学物質について、人の健康・安全・環境へのリスクを評価する仕組みとして総合アセスメント制度を運用し、適正な化学物質管理を行っています。なお、リスク評価の対象となる化学物質は新規製品だけではなく、製造プロセスや製造設備に変更のある既存製品も対象にしています。

化学物質管理

化学物質規制への取り組み

当社グループは、国内のみならず欧州や米国、アジア大洋州地域など各国の化学物質規制に対して、国内外法規検索データベースなどを活用しながら規制動向や改正情報を入手し、適切な法対応を実施しています。

2025年度は欧州REACH規則※に並ぶ、イギリスUK-REACH、韓国K-REACH、中国、台湾およびフィリピンのそれぞれの規則に対応し、確実に登録を進めました。

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    欧州連合(EU)で定められた化学物質の登録・安全性評価・使用許可・使用制限を生産者および輸入者に義務付ける規則です。

化学物質情報の一元管理

当社グループでは、原料、中間体および製品の有害性/危険性をはじめとする化学物質情報や法規制情報を、化学物質情報管理システムで一元管理しています。

当社グループの製品を安全・安心に取り扱いいただくために、この情報を基に、SDS※およびラベルの作成や、お客様への迅速な情報提供、製品をはじめとする化学物質のリスクアセスメントなどを実施しています。

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    Safety Data Sheetの略で、化学物質の性状や安全性、取り扱いに関する情報を提供する資料です。

化学物質情報の提供と伝達

当社グループは、製品を安全かつ安心してご使用いただくため、化学物質の情報提供を行っています。

SDS・ラベルによる情報の提供・伝達
  • 各国の法律やGHS※1に基づいたSDSおよびラベルを作成、お客様に情報を提供・伝達
chemSHERPA※2を通じた情報開示
  • 経済産業省が開発した製品含有化学物質情報の伝達スキーム「chemSHERPA」の普及に賛同を表明
  • ※1
    Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicalsの略で、化学物質の危険有害性や取り扱い上の注意事項などの情報に関して、分類やSDSの表示内容を国際的に統一したルールです。
  • ※2
    製品含有化学物質の情報伝達手段として、製品に含有される化学物質を適正に管理し、共通リストに基づく成分情報をサプライチェーン全体で伝達するための仕組みです。

労働安全衛生法(安衛法)において施行令の一部改正が2022年5月に公布され、2023年度から毎年順次、ラベル表示、SDSなどによる表示および通知の義務対象物質が追加されており、2026年4月までに約1,600物質が対象となっています。また、2026年度も約800物質の追加が予定されています。

これらの施行に先立ち、当社グループのSDSをこれらの情報を盛り込んだ内容へ更新しています。

社内教育

当社グループでは、化学物質を適切に管理するために、化学物質を取り扱う社員を対象に、化学物質の危険有害性や適切な取り扱い方法、国内外の化学品規制などの教育を定期的に行っています。

特に国内外の化学品規制に関しては、当社事業部門などをはじめグループ企業にも化学品管理の責任者と担当者を置き、年4回の情報交換会を開催しています。2025年度は、各部門の責任者および担当者延べ約180名が参加しました。

また、化学物質を取り扱う全ての作業者を対象として、リスク評価の教育を実施しています。

リスク評価は化学物質管理にとって極めて重要な要素であり、その評価結果を正しく理解し、リスク管理を行うためには、評価者に幅広い知識と理解が求められます。当社グループでは、化学物質のリスク評価ができる実務担当者を養成するため、実務者養成講座の受講機会を提供し、リスク評価のための広範な知識や継続的な技術の習得を推進しています。

2025年度は、化学物質管理者向けに危険物輸送に関する国連輸送勧告、およびライフサイクル全体での化学物質管理法令の2件の講習会を開催し、化学物質管理者以外も含め約170名が受講しました。今後も化学物質管理に関する教育を定期的に開催し、化学物質管理への理解をより深めることに努めます。

化学物質に対する自主的取り組み

当社グループでは、総合アセスメント制度に基づき「新規計画※」に際し、化学物質による人・設備・環境への影響を未然に防止するため、取り扱われる全ての化学物質について、人の健康や環境に対する危険性や有害性を事前に評価しています。

禁止物質

危険性や有害性ゆえに製造・使用が法律で禁止または特に厳しく制限されている化学物質です。当社グループでは製造・使用を禁止しています。

原則禁止物質

製造・使用が厳しく規制(許可・届出・安全対策の実施など)されている化学物質です。当社グループでは製造・使用を原則禁止とし、研究開発段階においては代替物質への置き換えを検討しています。やむを得ず製造・使用する場合は、危険性や有害性・製造量・使用量・用途・目的・暴露の状況および人の健康や環境に対するリスク対策などの情報を基に、コーポレート総合アセスメント評価委員会で事前審査し、可否を判断しています。

以上のように、危険性や有害性が懸念される物質に対して、総合アセスメント制度に基づき、体系的に管理しています。

また、既存製品はもとより新規製品・開発品含め、その製造・開発・試験検査の全ての業務において、取り扱う全ての化学物質についてリスクアセスメントを実施しています。

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    既存製品の用途拡大、製品規格・製造方法や原料の変更なども含みます。

安全性評価における動物実験に対する考え方

製品の開発および適正な化学物質管理を行うためには、各国・地域の法規制対応も含めた危険有害性評価が不可欠です。当社グループでは、人の健康や環境への影響を的確に把握しつつ、動物福祉にも最大限配慮することが企業の社会的責任と考えています。

一方で、現行の法規制や科学的妥当性の観点から、やむを得ず動物実験を実施する必要がある場合には、動物福祉に関する国際原則である3Rs※を厳格に遵守しています。具体的には、動物愛護に関する明確な方針を有し、第三者認証や適切な管理体制が確認された信頼性の高い試験機関に限定して試験を委託しています。

2025年度は、レスポンシブル・ケアセンター主催で講演会「『動物実験に頼らない安全評価』の現状とその最前線を知る」を開催しました。本講演会では、当該分野において長年にわたり第一線を担ってきた学識経験者おふたりを講師にお招きし、3Rsの考え方を踏まえた非動物試験法や次世代の安全性評価に関する最新動向について理解を深めました。研究部門や事業部門に加え、サステナビリティやガバナンス関連部門も参加し、動物実験削減に向けた取り組みを全社に展開し、継続的な取り組みとしています。

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    国際的に普及・定着している実験動物の飼育および保管など動物実験の適正化の原則のことです。①動物の苦痛の軽減 (Refinement)、②動物使用数の削減 (Reduction)、③動物を用いない代替法への置換 (Replacement) の3つの原則のことをいいます。