ダイセルのモノづくり プロセス・イノベーション 1996年4月に網干工場(兵庫県)でスタートした生産革新の取り組みは、2000年の統合生産センター開設を経て、全生産拠点へ展開。さらに製造―販売―物流の一連の業務プロセスをダイセル式生産革新手法によってシンプル化し、事業価値の最大化を図るサプライチェーンを構築しました。本取り組みによりモノづくりに関わる情報を同期・一元化し、複数工場の全体最適化を実現する「バーチャルファクトリー」の仕組みを実現。また今後はこれら一連の活動の中で蓄積した膨大なノウハウ情報を、ビッグデータとして、AIで解析することで、予知予測機能を強化するなど、新たな革新への展開に挑みます。

ダイセル式生産革新

背景
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1990年代半ば、当社は円高やグローバル化によるコスト競争の圧力、団塊世代の大量退職に伴う早急な世代交代と技能伝承の問題に直面していました。また、第1次長期計画(1989年12月末策定)に掲げていた「2倍の生産性」を実現するためには、従来の延長線上の取り組みでは限界がありました。 そこで、「生産性が2倍の工場を新たに建設するにはどのような仕組みと体制、生産システムが必要か」という発想のもと、R21プロジェクトを発足し、「人・組織の革新」「生産システムの革新」「情報システムの革新」の3つの革新による新たな仕組みで「モノづくり」を行っている工場、「次世代型化学工場」構築に向けて取り組みを行いました。

概要
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当社のあるプラントの従来オペレーションでは、オペレータ1人当たりに対し10数台のモニター画面、数千頁の画面の監視、さらに数千の計器にアラームを設定していました。いざ、アラームが鳴ると数万項目の原因を想定し、その対応として十数万項目のケーススタディを行っていました。

あるプラントの従来オペレーションの形態

ダイセル式生産革新は以下の4つの段階で構成されます。

第0段階:必要性の確認

  • 「定常作業負荷」「非定常作業負荷」「意思決定の仕組み」「コスト構造」の4つの切口で、ムダ・ロス・課題を発掘する。

第1段階:基盤整備・安定化

  • 第0段階で明らかになった現場におけるムダ・ロスを排除しオペレータの作業負荷を低減、安定化を目指す。
  • 製造現場、図面に使われている工場内の機器類(タンクやポンプ等)の名前の付け方や表示の仕方を全社で統一し、工場の基盤整備を進める。

第2段階:標準化

  • オペレータの意思決定フローを基点とし「安全・安定・品質・コスト」の4つの切口から原理原則に立ち返った運転を標準化(総合オペラビリティスタディ手法)する。

第3段階:システム化

  • 標準化した運転方法を後戻りしないための仕組みづくりとして、ITを活用した「知的統合生産システム」を構築する。

2000年3月、ダイセルの網干工場(兵庫県)に「知的統合生産システム」を中枢とした統合生産センター(Integrated Production Center:IPC)を建設。網干工場内にある3つのエリア(セルロースエリア・有機エリア・エネルギーエリア)をIPCの1か所でコントロールし、全体最適な運転を実現しています。

IPCコントロールルーム
成果
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  • 人の生産性3倍、作業負担1/10、品質が向上しました。
  • ビジネスモデル特許(生産革新手法・知的生産運転方法・知的生産システム)として資産化しました。
  • 最も重要なことはトップの意思(決断、ミドル層への権限委譲)とミドル層の熱い思い(工場を変えたい、自らが率先して改革を実行する)、そして各現場の自らが改善しようという意思の結集です。

バーチャルファクトリー ~網干と大竹工場間の最適生産の仕組み構築~

背景
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これまでの「ダイセル式生産革新」を基盤とし、同じセルロース製品を生産する網干工場(兵庫県)と大竹工場(広島県)をあたかも一つの工場のようにして、生産計画、エネルギー需給を最適とする仕組みを構築し、更なる収益の極大化を図る取り組みを行いました。

網干-大竹工場 バーチャルファクトリー
概要
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  • エネルギー設備の燃料にガスと石炭を用いる網干工場と、石炭とタイヤチップを混焼する大竹工場では調達コストが異なるため、製造に必要なエネルギーコストが異なります。
  • 両工場に必要な生産量をもとに、エネルギーコスト、在庫コスト、物流コストなどを考慮したトータルコストがミニマムとなるように、生産計画やエネルギー設備の運転条件をシミュレーションできる仕組みを構築し、運用しています。
  • 実際の運転では、エネルギー設備の運転条件をシミュレーションできる「エネルギー運転最適化システム」を活用し、コストミニマム運転を維持できる仕組みを運用しています。
成果
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  • 従来の工場最適の考え方から、全体最適を追求することで、トータルコストの低減を実現しました。
  • 網干工場と大竹工場での最適生産の仕組みとエネルギー運転最適化システムの構築によって、2工場体制によるバーチャルファクトリー化が完成しました。

画像解析システムの実用化 ~組立型事業における生産革新~

背景
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当社は株式会社日立製作所(以下、日立製作所)と共同し、2015年2月から16か月にわたり、当社の組立型事業である自動車エアバッグ用インフレータを製造している播磨工場の製造実績データを3M(Man(人)、Machine(設備)、Material(材料))の観点から解析し、その成果を+M(Method)につなげるための新しい仕組みを日立製作所の最先端IoT技術(画像解析、AIなど)を活用し実用化しました。

今回導入の画像解析システム
概要
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目的に応じた数種類のカメラを設置し、作業者や機械の動きを画像データとしてAI解析することで、異常があれば監督者に通知し、監督者は即座に対応することができます。また、得られた画像データを蓄積し、通常の製造データと連携することで、不具合発生時の原因究明のスピードアップや改善箇所の解析を可能とします。

Man(人)に対する画像解析

  • 特に品質保証上重要な作業手順に対して、作業員の実際の動きと標準動作モデルを比較・分析し、標準作業手順からの逸脱動作があった場合、自動で検知して監督者のスマートウォッチにアラートを通知する。
  • 作業員のエリア内の動線を分析することで、人員や設備の最適配置を実施する。

Machine(設備)、Material(材料)に対する画像解析

  • 生産設備の稼働状況を撮影して異常を検知する。
  • 部品供給者が取り扱っている設備・材料の状態を確認する。
成果
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  • 品質保証をロット単位での代表点管理から、製品シリアル単位での全点管理(人、設備、材料の状態を連続的に監視する)へ移行でき、製品の工程内保証率が格段に向上しました。
  • 現場管理監督者の役割を事後処置中心の対応から、得られたデータを活用した傾向監視や予防処置に移行することで、不具合の未然防止に貢献しました。

インフレータ組立工程における画像解析システムにより、ロット単位からシリアル単位の品質管理へ

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